男性のヘアケア、実態は? 高級理容室「ヒロ銀座」の女性理容師に聞く!
スキンケアは男性の日々のルーティンに定着してきた観があるが、ヘアケアはどうなのか。ヘアケアを怠ると、理想のヘアスタイルを楽しむことも難しくなる? 気になる「男性のヘアケア事情」について、専門家である高級理容室「ヒロ銀座」のスタッフさんに話を聞いてみた。
ヒロ銀座は全国で40店舗以上のサロンを展開している高級理容室。同グループは営業時間が長く、仕事帰りに立ち寄れる使い勝手の良さも魅力だ。
話を聞いたのは、プレミアムバーバー渋谷原宿店 店長の鹿島彩夏さんとプレミアムバーバー表参道店 店長の田中瑞希さん。土地柄もあり、大学生などの若い世代から年配者まで幅広い年齢層に施術するスペシャリストだ。
日々、たくさんの男性の頭髪・頭皮を目にし、施術を行い、利用客から髪や頭皮に関する悩み相談を受ける機会も多いお二人は、男性のヘアケア・頭皮ケアの実態についてどのような考えを持っているのか。オススメのケア方法なども合わせて聞いてみた。
若い人ほど頭皮ケアに関心?
――月に何名くらいの施術をしていますか? また年齢層はどれくらいですか?
鹿島さん:150人くらいです。20代後半から60代ぐらいまで満遍なくといった感じですね。
田中さん:私は200人くらいで、30代から50代ぐらいのお客様が多い印象です。
――お客様の年齢によって頭皮ケアに対する意識に違いはありますか?
鹿島さん:20代後半の方から「頭皮の乾燥が気になる」とか「ちょっと薄くなってきた」といった声をよくお聞きします。もともと、40代~50代の方は髪が薄くなってきたことを気にされていることが多かったんですけど、最近は頭皮を気にする20代後半の方が多くなってきた感じがします。
田中さん:私も、若い方の方が意識されているというか、お顔と一緒で「ケアしなきゃ」という意識がすごくあるように思います。逆に、50代とか少し年齢層の高い方のほうが意外と疎くて、施術をさせていただくと頭皮がちょっと硬めという方が多い印象です。ご家族がいる場合、奥様のケア用品を一緒に使われている方もいらっしゃいますが、お1人の場合は特に疎いかなという印象です。
――頭皮を気にする若い方が増えてきたということなのでしょうか。例えば、5年前くらいと比較して変化を感じることはありますか?
鹿島さん:20代後半くらいまでの比較的若い方でも、頭皮や髪に対する危機感を持たれていることは多いです。渋谷原宿店は立地もあり、大学生のお客様がいらっしゃることもあるのですが、髪の毛や頭皮に関する質問をいただく機会がけっこう増えたなと感じます。それこそ、5年前はそこまで気にしている方って少なかったのではないでしょうか。
田中さん:5年前に比べると全体的に意識が上がっていると感じます。市販の頭皮ケアグッズもすごく増えていますし、頭皮に関する質問もすごく増えています。特に、シャンプーブラシを使っている方がすごく多いという印象で、施術中も「シャンプーを強くしてほしい」とおっしゃるお客様がいらっしゃいます。あと、スキンケアが流行していることもあり、若いお客様にお顔剃りが人気です。それもあって、利用者が増えたのかもしれません。
意外に多い「シャンプーの洗い残し」
――女性と比較した場合、男性の頭皮ケアに対する取り組みはだいぶ違いますか? マインドから異なるものでしょうか。
鹿島さん:私も含め、女性はどうしても、髪の毛の毛先を気になさる方が多いのですが、男性の場合はそれよりも、頭皮にもっと着目されている方が多いと思います。
田中さん:カラーやパーマをすると、どうしても髪が傷んでしまうので、女性は切るよりも維持していきたいおっしゃる方が多いです。でも男性だと、カットで毛先は切ってしまうので、毛先のダメージというよりは頭皮を意識されているのだと思います。
――男性の頭皮ケアで足りていないと思うことはありますか?
鹿島さん:シャンプーの洗い残しが目立つ方は多いかもしれません。シャンプーでしっかり洗っていても流しまではできていなくて、皮脂が溜まってしまっている方はけっこう多いようです。
田中さん:保湿や乾燥ケアは必要かなと思います。特に髪の短い方、フェードスタイルの方とかですね。お肌と同じ感覚でケアしてあげてもいいのかなくらいに思っていて、化粧水をお肌につける感じで、頭皮にトニックをつけるような習慣があってもいいのではないでしょうか。
それと、シャンプーをした後、ドライヤーをせずに寝てしまったり、ジェルをつけてしまったりするのは、避けた方がいいですね。髪を洗った後は、根元から乾かしてほしいです。濡れたままだと頭皮にも悪くて、頭皮カビが生えてしまうこともあります。しっかり乾かしておくとヘアスタイルのセットも長持ちするので、一石二鳥だと思います。
――理想のヘアスタイル(セットしやすい髪)になるため、頭皮ケアに対するアドバイスはありますか?
鹿島さん:頭皮を改善するには、やっぱりトニックが大事だと思います。頭皮の化粧水にあたるものなので、どんなスタイルであってもしてほしいですね。ただ、アルコール成分が多いタイプのトニックだと逆に乾燥してしまいますので、成分を見ていただいて、できるだけアルコール成分が少ないものを選んでいただければと思います。
田中さん:ちょっとしたマッサージはオススメです。ブラシを使って頭皮を叩いてあげるとか、頭皮ケアではないですが指で顔の側頭筋のところをゴリゴリしてあげるのもいいと思います。顔と頭は1枚の皮なので、お顔もちょっと引き上がってカッコよくいられると思います。
ヘアスタイルと頭皮の関係は?
――髪質、髪型と頭皮ケアの関係についてですが、頭皮ケアが充実していれば理想のヘアスタイルにしやすいということはありますか?
田中さん:例えばフェードスタイルにしたいとおっしゃるお客様に、ちょっと荒れてしまっているので治ってからにしましょうとお話しすることがあります。なので、やっぱりケアができていないと理想のヘアスタイルに近づけないということはあると思います。
――頭皮ケアの基本は洗髪だと思うのですが、何かアドバイスがあればお願いします。
田中さん:爪を立てずに、しっかりと泡立てた泡で洗ってあげるのがいいですね。爪を立ててしまうと頭皮が傷つく可能性もあります。強く洗ってもいいとは思いますが、その場合は指の腹でマッサージするような感じにしてください。
面倒くさくて、さっと濡らしてすぐにシャンプーをつけてしまう方もいると思いますが、シャンプーをつける前にちゃんとゆすいであげると泡立ちも良くなります。
鹿島さん:洗いすぎもまた、脂を分泌する原因になってしまうので注意してください。もし2回シャンプーをするのであれば、お肌に優しいタイプのシャンプーを選んであげた方がいいかもしれません。あと、ドライヤーは絶対に使ってほしいですね。そんなに頭皮に近づけなくてもいいのですが、ちゃんと根本を乾かすように、根本から毛先へと風を当てていくのがコツです。
――ご自身の頭皮ケアについては普段、どのようなことに気を付けていますか?
鹿島さん:私はシャンプーのときにシャンプーブラシでマッサージしています。フェイスラインとの境目を引き上げるようにすると、頭皮ケアにもいいですし、フェイスアップにもなるので家で毎日やるようにしています。
田中さん:シャンプーブラシは毎日しますね。あと、シャンプー中ではないですが、頭皮を刺激するヘアブラシで髪をとかしたり、頭皮刺激を行っています。私が使っているのは電気が流れるというタイプなのですが、静電気が起きにくく、髪もサラサラになって、頭皮ケアマッサージにも使えるので愛用しています。
安藤康之 あんどうやすゆき フリーライター/フォトグラファー。編集プロダクション、出版社勤務を経て2018年よりフリーでの活動を開始。クルマやバイク、競馬やグルメなどジャンルを問わず活動中。 この著者の記事一覧はこちら
ヒロ銀座は全国で40店舗以上のサロンを展開している高級理容室。同グループは営業時間が長く、仕事帰りに立ち寄れる使い勝手の良さも魅力だ。
話を聞いたのは、プレミアムバーバー渋谷原宿店 店長の鹿島彩夏さんとプレミアムバーバー表参道店 店長の田中瑞希さん。土地柄もあり、大学生などの若い世代から年配者まで幅広い年齢層に施術するスペシャリストだ。
日々、たくさんの男性の頭髪・頭皮を目にし、施術を行い、利用客から髪や頭皮に関する悩み相談を受ける機会も多いお二人は、男性のヘアケア・頭皮ケアの実態についてどのような考えを持っているのか。オススメのケア方法なども合わせて聞いてみた。
若い人ほど頭皮ケアに関心?
――月に何名くらいの施術をしていますか? また年齢層はどれくらいですか?
鹿島さん:150人くらいです。20代後半から60代ぐらいまで満遍なくといった感じですね。
田中さん:私は200人くらいで、30代から50代ぐらいのお客様が多い印象です。
――お客様の年齢によって頭皮ケアに対する意識に違いはありますか?
鹿島さん:20代後半の方から「頭皮の乾燥が気になる」とか「ちょっと薄くなってきた」といった声をよくお聞きします。もともと、40代~50代の方は髪が薄くなってきたことを気にされていることが多かったんですけど、最近は頭皮を気にする20代後半の方が多くなってきた感じがします。
田中さん:私も、若い方の方が意識されているというか、お顔と一緒で「ケアしなきゃ」という意識がすごくあるように思います。逆に、50代とか少し年齢層の高い方のほうが意外と疎くて、施術をさせていただくと頭皮がちょっと硬めという方が多い印象です。ご家族がいる場合、奥様のケア用品を一緒に使われている方もいらっしゃいますが、お1人の場合は特に疎いかなという印象です。
――頭皮を気にする若い方が増えてきたということなのでしょうか。例えば、5年前くらいと比較して変化を感じることはありますか?
鹿島さん:20代後半くらいまでの比較的若い方でも、頭皮や髪に対する危機感を持たれていることは多いです。渋谷原宿店は立地もあり、大学生のお客様がいらっしゃることもあるのですが、髪の毛や頭皮に関する質問をいただく機会がけっこう増えたなと感じます。それこそ、5年前はそこまで気にしている方って少なかったのではないでしょうか。
田中さん:5年前に比べると全体的に意識が上がっていると感じます。市販の頭皮ケアグッズもすごく増えていますし、頭皮に関する質問もすごく増えています。特に、シャンプーブラシを使っている方がすごく多いという印象で、施術中も「シャンプーを強くしてほしい」とおっしゃるお客様がいらっしゃいます。あと、スキンケアが流行していることもあり、若いお客様にお顔剃りが人気です。それもあって、利用者が増えたのかもしれません。
意外に多い「シャンプーの洗い残し」
――女性と比較した場合、男性の頭皮ケアに対する取り組みはだいぶ違いますか? マインドから異なるものでしょうか。
鹿島さん:私も含め、女性はどうしても、髪の毛の毛先を気になさる方が多いのですが、男性の場合はそれよりも、頭皮にもっと着目されている方が多いと思います。
田中さん:カラーやパーマをすると、どうしても髪が傷んでしまうので、女性は切るよりも維持していきたいおっしゃる方が多いです。でも男性だと、カットで毛先は切ってしまうので、毛先のダメージというよりは頭皮を意識されているのだと思います。
――男性の頭皮ケアで足りていないと思うことはありますか?
鹿島さん:シャンプーの洗い残しが目立つ方は多いかもしれません。シャンプーでしっかり洗っていても流しまではできていなくて、皮脂が溜まってしまっている方はけっこう多いようです。
田中さん:保湿や乾燥ケアは必要かなと思います。特に髪の短い方、フェードスタイルの方とかですね。お肌と同じ感覚でケアしてあげてもいいのかなくらいに思っていて、化粧水をお肌につける感じで、頭皮にトニックをつけるような習慣があってもいいのではないでしょうか。
それと、シャンプーをした後、ドライヤーをせずに寝てしまったり、ジェルをつけてしまったりするのは、避けた方がいいですね。髪を洗った後は、根元から乾かしてほしいです。濡れたままだと頭皮にも悪くて、頭皮カビが生えてしまうこともあります。しっかり乾かしておくとヘアスタイルのセットも長持ちするので、一石二鳥だと思います。
――理想のヘアスタイル(セットしやすい髪)になるため、頭皮ケアに対するアドバイスはありますか?
鹿島さん:頭皮を改善するには、やっぱりトニックが大事だと思います。頭皮の化粧水にあたるものなので、どんなスタイルであってもしてほしいですね。ただ、アルコール成分が多いタイプのトニックだと逆に乾燥してしまいますので、成分を見ていただいて、できるだけアルコール成分が少ないものを選んでいただければと思います。
田中さん:ちょっとしたマッサージはオススメです。ブラシを使って頭皮を叩いてあげるとか、頭皮ケアではないですが指で顔の側頭筋のところをゴリゴリしてあげるのもいいと思います。顔と頭は1枚の皮なので、お顔もちょっと引き上がってカッコよくいられると思います。
ヘアスタイルと頭皮の関係は?
――髪質、髪型と頭皮ケアの関係についてですが、頭皮ケアが充実していれば理想のヘアスタイルにしやすいということはありますか?
田中さん:例えばフェードスタイルにしたいとおっしゃるお客様に、ちょっと荒れてしまっているので治ってからにしましょうとお話しすることがあります。なので、やっぱりケアができていないと理想のヘアスタイルに近づけないということはあると思います。
――頭皮ケアの基本は洗髪だと思うのですが、何かアドバイスがあればお願いします。
田中さん:爪を立てずに、しっかりと泡立てた泡で洗ってあげるのがいいですね。爪を立ててしまうと頭皮が傷つく可能性もあります。強く洗ってもいいとは思いますが、その場合は指の腹でマッサージするような感じにしてください。
面倒くさくて、さっと濡らしてすぐにシャンプーをつけてしまう方もいると思いますが、シャンプーをつける前にちゃんとゆすいであげると泡立ちも良くなります。
鹿島さん:洗いすぎもまた、脂を分泌する原因になってしまうので注意してください。もし2回シャンプーをするのであれば、お肌に優しいタイプのシャンプーを選んであげた方がいいかもしれません。あと、ドライヤーは絶対に使ってほしいですね。そんなに頭皮に近づけなくてもいいのですが、ちゃんと根本を乾かすように、根本から毛先へと風を当てていくのがコツです。
――ご自身の頭皮ケアについては普段、どのようなことに気を付けていますか?
鹿島さん:私はシャンプーのときにシャンプーブラシでマッサージしています。フェイスラインとの境目を引き上げるようにすると、頭皮ケアにもいいですし、フェイスアップにもなるので家で毎日やるようにしています。
田中さん:シャンプーブラシは毎日しますね。あと、シャンプー中ではないですが、頭皮を刺激するヘアブラシで髪をとかしたり、頭皮刺激を行っています。私が使っているのは電気が流れるというタイプなのですが、静電気が起きにくく、髪もサラサラになって、頭皮ケアマッサージにも使えるので愛用しています。
安藤康之 あんどうやすゆき フリーライター/フォトグラファー。編集プロダクション、出版社勤務を経て2018年よりフリーでの活動を開始。クルマやバイク、競馬やグルメなどジャンルを問わず活動中。 この著者の記事一覧はこちら
10/11 11:30
マイナビニュース