お酒、時計、ギター、カメラ、ビール券……お宝は身近にある!? 「出張買取」のメリットを専門家に聞いてみた

春の新生活、身の回りの整理整頓にあたった人も多いはず。その際、何度も「これはもういらないけど、捨てるのももったいないな……」と考えるタイミングがあったのではないだろうか?

そんなみなさんは、ぜひ一度「出張買取」を利用してみてはどうか? 自分にとってはあまり価値がないようなものでも、別の人からすればお宝かもしれないワケで……ということで、今回は出張買取のメリットについて話しをうかがうべく、大手買取専門店「買取大吉」を訪問。鑑定士の木村健一さんに話を聞いた!
○■出張買取なら紛失や盗難、破損などのリスクも回避できる

――はじめに、出張買取の特徴やメリットについて教えてください。

大きく分けて3つあります。「買取大吉」がご自宅まで査定にうかがうので、お忙しい方、小さなお子さまを抱えている方など、外出しにくい方々の負担を少なく済ませられるというメリットがあります。

また、高額なものを持ち歩くには紛失や盗難、破損などのリスクも伴いますが、そういった危険をおかさずに済むのも出張買取ならではのメリットですね。

最後に、値がつくかどうかわからない物もついでに査定してもらえるという特徴もあります。持ち込みだと「これはさすがに売れないだろうからやめておこう」と遠慮してしまうような物でも、意外に価値がある場合も少なくありません。たとえば、「こんな汚いものだけどいいですか?」といって見せてもらった物が金製のメガネで、何十万の査定額になったこともあります。

――自分では物の価値に気づかないケースもある、と。

そうですね。出張買取は手数料もかかりませんし、コロナ禍が落ち着いてからはかなり需要も増えていて、ご依頼件数はここ1年くらいで4~5倍まで膨れ上がりました。「買取大吉」の場合は、全国47都道府県どこでもうかがえます。

――出張買取が増えるタイミングや時期などはあるのでしょうか?

4~5月はご用命が多いですね。やはり新生活が始まるので、物を整理する方が多く、需要が高まるようです。最近は金の価値が上がっているので、出張買取でも金の査定をすることが多くなっています。金のインゴットはひとつで1kgもありますし、いくつも持ち歩いたらかなりの重量になりますから、店舗への持ち込みよりも出張買取のケースが多くなっています。

――他に、出張買取向きの物などがあれば教えてください。

まずはお酒ではないでしょうか。昔はウイスキーやブランデーを収集されている方も多かったので、遺品整理でお酒類をまとめて売却されるお客様も目立ちます。お酒は割れ物でもありますし、そもそも嵩張る物でもあるので、やはり出張買取がおすすめですね。特に、今はジャパニーズウイスキーの値段もかなり高騰しているので、手元にお酒があるようでしたら、ぜひ一度見てみてもらってはいかがでしょう。
○■カメラやギター、ゴルフ用品……出張買取がおすすめの物

――お酒以外の物だといかがでしょう?

カメラなども、ライカやハッセルブラッドなどの海外ブランドだと100万円以上の価値がつくこともあります。カメラはデリケートな物なので、持ち込むよりも出張買取がおすすめです。

あとは、引き出物でもらったバカラなどの食器類や、ルイ・ヴィトンのキーポルなども持ち歩くのが大変だと思うので、出張買取がいいと思います。ギブソンのギターのような楽器類、ゴルフ用品や釣具などの嵩張るものもそうですし、たまに着物を見せてくださるお客様もいますね。

他にも「Nゲージ」という鉄道模型などはマニアがいるので、高く売れる場合があります。受験用の教材も需要があるので比較的売れますし、モンクレールのダウンやパソコン、バルミューダの家電、美顔器などの美容器具も出張買取で買い取るケースが多いアイテムです。

――小物類などはいかがですか?

たとえばカルティエのライターなどは、素材は金ではありませんが、ブランド的な価値を鑑みて5万1,000円で買い取りました。販売当時はそんなに高くなかったはずですが、ビンテージとして価値が上がっています。

パテック・フィリップの時計は1990年代に30~50万円くらいで販売されていた物ですが、今は買い取りで90~100万円、売り値で120万円くらいの値まで上がっています。当時のパテック・フィリップはあまり人気が高くなかったうえに、時計マニアもごく少数だったんですよ。ノーチラスも当時80万円で買えていたものが、今では1,500万円の価値がついたりしますからね。

また、お祝いでもらうことの多いモンブランのボールペンなどもそれなりの価格がついたりします。

このように、ぱっと見ではあまり価値があるようには思えない物でも、出張買取の際についでに見せていただければ、鑑定士がその場で判断することができます。

○■切手や図書券、ビール券も売れる!

――時計だと、他にどんなブランドの価値が上がっていますか?

一番わかりやすいのがロレックスですね。あとはパテック・フィリップ、オーデマ・ピゲ、グランドセイコーも海外で人気が出ていて、今ではプレミア価格がつくようになっています。カルティエも最近だととんでもない価格がつくケースが増えていて、「クラッシュ」というモデルの数量限定品などは毎回争奪戦になって、最終的には3,000~5,000万円と定価の何倍もの値段がつきます。

――さすがにそんな高価な物はなかなか家に眠っているケースは少ないですよね……。

高級時計は難しいかもしれませんが、意外に多いのが切手などですね。昔は切手をコレクションしている人も多かったので、アルバム何冊分も保管しているパターンも少なくありません。ただ、今はコレクターがほとんどおらず、需要もないので、価値が上がっているわけではないのですが、MAXで額面の80~90%で買い取る場合もあります。

あとは1枚500円の図書券も350円くらいで買い取りますし、1枚820円分のビール券は800円くらいで買い取っています。折れていたりすると評価が下がるので、持ち込むより、出張買取を利用したほうが安全だと思いますね。JCBやVISAの商品券も同様です。

――それなら家のどこかにあるかも……。

今はお酒や金、時計などをはじめ、物価高の影響で物全般が高騰しています。それに伴って我々の買取額も上がっていますから、ぜひ使っていないものは売却を考えてみてはいかがでしょうか。

「買取専門店に持ち込むまでもない」と思っているような物でも、専門家なら価値を見出してくれるかもしれない。もし何か売りたい物があるなら、ぜひ出張買取で幅広く鑑定してもらってはどうか。次回は木村さんに「シルバー」の価値についてお聞きしてみよう。

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