JR東海、東海道新幹線全駅にホーム上業務のVR訓練シミュレータ導入

JR東海は、駅ホーム上で発生する異常事態への対応力をさらに向上させるため、没入感のある仮想空間の中でさまざまな事象を再現できるVR訓練シミュレータを東海道新幹線の全駅に導入したと発表した。

同社は東海道新幹線における安全確保のため、列車の到着・発車の際にホーム上の安全確認を行う駅輸送担当者に対し、教材を用いた知識面での教育を実施するとともに、固定設置型のシミュレータ装置を用いた実践的な訓練を実施してきた。駅ホーム上で発生する異常事態への対応力をさらに向上させるべく、VR訓練シミュレータを導入したという。

VR訓練シミュレータは、天候、昼夜、可動柵・固定柵の有無等のシチュエーションを選択できるほか、乗客の駆込み乗車やホーム下への転落など、さまざまな異常事態を発生させることが可能。リアリティのあるCG映像をVRヘッドセット内で投影するため、実際にその場にいるかのような没入感を体感できる。訓練者の視点や習性に応じて、講師が任意のタイミングと箇所で異常事態を発生させられるため、訓練者の特性を考慮した効果的な訓練が可能になる。

導入による効果として、実際に経験することが少ないさまざまな異常事態に対して、適切な取扱いを繰り返し訓練できるため、駅輸送担当者の異常時対応力強化が期待される。VR訓練シミュレータが東海道新幹線(東京~新大阪間)の全17駅に配備されたことで、自駅の会議室等で訓練ができるようになり、訓練の頻度が高くなるとしている。

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