名言ななめ斬り! 第72回 【傑作選】聖子、明菜、百恵さん…『昭和アイドル』の名言に見るレジェンドの生き様

矛盾に満ちた世の中を、レジェンドたちはどう渡り歩いてきたのか。コラムニスト・仁科友里さんが名言をひも解きながら生きざまをナナメから考察する人気連載を総集編でお届け。今回のレジェンドたちは『昭和アイドル&歌姫編』です。

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○■松田聖子の名言「オトコっぽいです」

聖子さんが「まったく欲しがらないもの」とは、何だと思いますか? 知らんがなという声が聞こえてきましたので、早々にお答えしますと「オンナ友達」なのです。

芸能界はつきつめていえば、みんなライバルですから、友達を作るのは難しいのかもしれません。しかし、そうはいっても。やはり同業で同性のオンナ友達がいたら、ちょっとした世間話ができて楽しいはずです。しかし、聖子さんはアイドル時代から「芸能界に友達はいません」と公言しています。スターである聖子さんと親しければ、何かおこぼれに預かれることもあるでしょうから、聖子さんと友達になりたかった芸能人は多いと思います。にもかかわらず、聖子さんが「芸能界に女友達はいません」と公言するのは、聖子さん自身が「特にオンナ友達はいらない」と考えているからではないでしょうか(余談ですが、オンナ友達はいないものの、モト冬樹を親友と言っています)→続きを読む
○■中森明菜の名言「友達いないもん」

昭和の歌姫・松田聖子を陽とするなら、同時代に活躍した中森明菜は陰の歌姫でしょう。キッスは嫌といっても反対の~意味よ~、と聖子が男女のかけひきを『Rock’n Rouge』でウフフキャハハと歌っているとき、明菜は彼のもとへひとり~旅立つ~と、『北ウィング』で相手の許可も得ずに突っ走る重いオンナを歌っています。→続きを読む

○■松任谷由実の名言「気持ちはつながっていると思う25年でした。」

おそらく芸能人というのは、スピリチュアルな才能に恵まれた人がなるものではないでしょうか。特にそれを感じるのが、ユーミンこと松任谷由実なのです。

ユーミンのインタビューをまとめた「ルージュの伝言」(角川文庫)は1984年に発行されていますが、その中でユーミンは「空飛ぶ円盤なんかも二回ぐらい見てるし」「ラップ現象とかもすごく経験してるよ、ジャカルタやなんかでね」「善光寺とか平安神宮とか、よく行く神社とかがあるんだけどね。そういうところへ行くと、やっばり磁場があるのね。パワーの密度が濃いということかもしれないし、土地自体がパワー持っているってことなのかもしれないけど」と、もろスピリチュアルな発言をしています。→続きを読む
○■山口百恵の名言「レコードの売り上げ枚数が私の十分の一しかないタレントに対してなら、そうは言わなかったのではないだろうか」

山口百恵さんが大スターの座をすて専業主婦になることを選んだ理由は、「複雑な家庭に育ったから」と言う人は多いでしょう。私もそう思っていました。

「プレイバック」など百恵さんの代表曲は宇崎竜童・阿木燿子コンビが作ったものが多いのですが、この二人に曲を依頼するように決めたのも、百恵さんの意志でした。さらに当時としては珍しく、百恵さんはコンサートのために「自分専用のスタッフ」を求めたことで、プロダクションと衝突したこともあったようです。百恵組とも言うべきスタッフは、家に招いて酒を飲むなど親しくつきあっていたようです。結婚のために芸能界を引退したいと所属事務所の社長に打ち明けた時、「百恵ならそう言うと思っていた」と言われたのは、百恵さんのそばにいる人は、百恵さんが自分の意志で選んだものを、大事にするタイプであることを知っていたからではないでしょうか。→続きを読む

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仁科友里 にしなゆり 会社員を経てフリーライターに。OL生活を綴ったブログが注目を集め『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。「間違いだらけの婚活にサヨナラ」(主婦と生活社) が異例の婚活本として話題に。「週刊女性PRIME」にて「ヤバ女列伝」、「現代ビジネス」にて「カサンドラな妻たち」連載中。Twitterアカウント @_nishinayuri この著者の記事一覧はこちら

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