発見! あぶない家 第5回 風と共に侵入してくる犯罪者

寒さ暑さも彼岸まで。という言葉があるように、9月に入るとだんだんと爽やかな季節に移り替わり、自然の気持ち良い風を家の中に入れたくなります。ましてや、このコロナ禍、換気のためにも窓を開け、家の中の空気を入れ替える機会も多くなります。

以前「今日からできる防犯対策とは? 「防犯生活」の始め方」の中でもお話させて頂きましたが、窓から入ってくるのは風だけではありません。爽やかな風と共に犯罪者も入ってきます。
○しっかりと戸締りを

窓を開けて自然の風を通して生活したいお気持ちは、十分に理解できます。が、窓を開けて生活をしていると、それだけで犯罪者のターゲットになる可能性が高くなります。

例えば「今日はお天気も良いし、部屋の空気を入れ替えるためにも、窓を開けたまま出かけても大丈夫よね」とか「ほんの少しの時間だから、戸締りしなくても大丈夫よね」などと、窓を開けたまま出かけていませんか?

帰宅してみたら空き巣の被害に遭っていた。なんてことも実際に起こっています。空き巣の被害だけなら金品を盗られるだけで済みますが、貴方が帰宅した時に、まだ空き巣犯があなたの家にいて、鉢合わせになったら……。想像してみてください。ゾッとしませんか? 中には取り返しのつかない事件にまで、発展してしまったケースもあります。すぐそこまでだから、ほんの少しの時間だからと油断せずに、しっかりと戸締りをして出かけていただきたいです。

家に居る時でも同じです。前回「家に居るから大丈夫‼は本当に大丈夫?」では、人が家に居るからこそ狙ってくる犯罪者がいることを、皆さまに知っていただきました。
○窓を開けたままで生活するための対策とは?

鍵を掛けた生活が基本です。でも窓を開けて生活したい。その場合はどうすればいいのでしょう。窓を開けていても人が簡単に入れないように対策をすれば窓を開けたままで生活できます。では、どんな対策があるのかお話ししましょう。
○窓の補助錠や防犯センサー、面格子を取り付ける

人が入れそうな大きさの窓に施す対策として、一番手軽にできる対策は、補助錠を設置することです。できればサッシ枠の上部に設置してください。ホームセンター等で簡単に購入でき、設置の仕方も難しくありません。女性や高齢者でも無理なく取り付けることができます。レールが付いているタイプの補助錠は窓を少し開けたまま(20cmまでが限度)でも使用することができるので、自然の風を取り入れることも可能です。

補助錠の他には、窓が開いたことを感知し発報する、窓用防犯センサーを取り付けるのもよいでしょう。この窓用防犯センサーはセキュリティシステムのもの、防犯グッズのもの、どちらもありますので、ご自宅に合ったものを設置するようにしてください。

犯罪者が侵入してくる窓で一番多いのが掃き出し窓です。その掃き出し窓に近付いた時に働くセキュリティシステムを導入するのも一つの方法です。

浴室の窓やトイレの窓には面格子が付いている場合が多いですが、その面格子を防犯性の高い建物部品(CPマークが付いてる商品)の面格子に換えることをお勧めいたします。

今は掃き出し窓に設置するシャッターも、風を通すことができるシャッターがありますので、CPの面格子と併せて、工務店へ相談なさるとよいでしょう。
○エアコンの室外機やゴミ箱、物置の位置に注意

窓にいろいろと対策を施していただく前に、皆さまにしていただきたいことがあります。

掃き出し窓以外で、人が入れる大きさの窓の外に物を置いたりしていませんか? 腰高窓や人が入れそうな窓の下のエアコンの室外機・ゴミ箱等は犯罪者の足場になってしまいます。窓の無い場所へ移動してください。また物置を置く位置も注意しなければなりません。2階へ上がれる足場になっているかを確認し、この位置では2階に上がれてしまうなと思われた場合は場所を移動しましょう。

戸建てにお住まいの方は1階の窓はもちろん、2階の窓も同じように対策が必要です。なぜなら、犯罪者は1階の窓からだけ侵入してくるとは限りません。2階の窓からも侵入してくるからです。

実際に起きた事件で、1階部分はしっかりと鍵を掛けて出かけましたが、帰宅してみると空き巣の被害に遭っていたということがありました。2階ベランダの掃き出し窓から犯人は侵入していました。まさか2階の窓から侵入してくるとは思わずに、開けたまま外出していました。

今は家に人が居ても居なくても安心できない時代です。家に人が居ても堂々と侵入してくる犯罪者もいます。被害に遭ってから後悔しても遅いです。後悔先に立たず。一度ご自宅を犯罪者の目線で見ることをなさっていただきたいと思います。あなたとあなたの大切な家族・財産を守るのはあなたです!

一般社団法人 日本防犯学校学長/防犯ジャーナリスト : 梅本正行 うめもとまさゆき 1964年からセキュリティ事業に参入し、警察署での署員特別教養講師や犯人逮捕への協力など、警察からの感謝状は400枚を越える。侵入犯罪の現場には極力足を運び、犯罪現場の環境や犯行手口など、事件の内容を検証。その数は8,000件を越え、今もなお増え続ける。現在、犯罪者心理を知り尽くしたプロの目で、防犯ジャーナリストとして活躍。テレビ・ラジオ・新聞・雑誌等で予知防犯対策を提唱している。また、行政・自治体・民間企業等でのセミナーや講演も多く、人情味あふれる独特のキャラクターで予知防犯対策の重要性と人の命の尊さを呼びかけている。通称「防犯の梅さん」。 防犯対策責任者の育成にも力を入れ、養成講座を開講する傍ら、犯罪抑止に力を注ぐと共に経済産業省の「省エネ・防犯情報提供事業研究会」の委員として参画していた。現在は地域の防犯ボランティアの育成や防犯住宅を造る工務店の育成を全国で行っている。 一般社団法人 日本防犯学校 この著者の記事一覧はこちら

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