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テスラやビットコインはバブルの警戒信号か

マネ―スクエアのチーフエコノミスト西田明弘氏が、投資についてお話しします。今回は、金融市場の近況について解説していただきます。

米FRB(連邦準備制度理事会)など主要な中央銀行が強力な金融緩和を続け、また各国政府が大規模な財政出動をするなか、金融市場にはおカネがあふれているようです。それを象徴的に表しているのが、テスラの株価とビットコインの価格ではないでしょうか。
○テスラの時価総額は大手6社合計を上回る

米電気自動車メーカーのテスラの株価は、昨年3月の「コロナ・ショック」時に70.1ドルで底打ちし、今年1月8日には884.5ドルの高値をつけました。この間、12.6倍になった計算です。直近2カ月弱の間に株価は2倍になっています。

1月7日付けのAFP通信の記事によれば、テスラの時価総額は、GM、フォード、トヨタ、ホンダ、フィアット・クライスラー、フォルクスワーゲンの自動車大手6社の株式時価総額の合計を上回ったとのことです。2020年のテスラの販売台数は50万台弱。これは上記大手6社の2019年の販売台数4,440万台の約90分の1に過ぎません。販売台数が必ずしも株価を左右するわけではないし、テスラの将来性が株価に反映されているのでしょうが、テスラ株が買われすぎとの印象は拭えません。

○ビットコインは1カ月弱で2倍以上に

ビットコインの上昇も目立ちます。ビットコインの価格は、昨年3月に3,914.7ドルで底打ちして、今年1月8日に41,981.8ドルの高値をつけました。こちらも10倍以上になりました。その後、3日間で3割近く下落しましたが、足もとでは反発しています。

ビットコインは2017-8年にも急騰と急落を演じましたが、当時ギリギリ届かなかった2万ドルを昨年12月16日に突破すると、そこから1カ月弱で2倍以上に値上がりしました。前回のブームが個人投資家中心だったのに対して、今回は機関投資家が参入していると指摘されます。ただし、株式や債券のようにバリュエーション(価格評価)がないビットコインが短期間に急騰する理由は何でしょうか。やはり、カネ余りを背景とした「投機」ではないでしょうか。
○バブルに要警戒

コロナ禍に対応した金融・財政政策がバブルを生みつつあるのかもしれません。各国の当局者は金融・財政面からの強力な景気刺激を続ける意向のようですが、景気が回復基調を強めた時にその判断に変化は生じないのか。金融・財政政策のスムーズなシフトチェンジが可能なのか。大いに注目されるところでしょう。

西田明弘(マネースクエア) マネースクエア チーフエコノミスト。日興リサーチセンター、米ブルッキングス研究所、三菱UFJモルガン・スタンレー証券などを経て、2012年にマネースクウェア・ジャパン(現マネースクエア)入社。「投資家教育(アカデミア)」に力を入れている同社のWEBサイトでレポートを配信(一部は口座をお持ちの方限定で公開)する他、投資家のための動画配信サイト「M2TV」でマーケットを解説。 この著者の記事一覧はこちら

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