この店主、言うこと全部ズレている―― 仲村トオル主演で実写ドラマ化の『飯を喰らひて華と告ぐ』最新第3巻はどんな“珍言”が飛び出す?

『飯を喰らひて華と告ぐ』3巻(足立和平/白泉社)

 2024年4月26日(金)、『ヤングアニマル』および「ヤングアニマルWeb」で連載中のグルメマンガ『飯を喰らひて華と告ぐ』コミックス最新第3巻が発売。7月クールに実写ドラマ版が放送されるということもあり、改めて原作に大きな注目が集まっているようだ。

『飯を喰らひて華と告ぐ』の舞台は、東京都の少し外れに構えるお食事処「一香軒」。見た目は中華料理店のような佇まいだが、卓上には3冊の分厚いメニューがあり、店主は「ウチは何でも出せる」と豪語する。

 そんな「一香軒」を訪れるのは、決まって何らかの悩みを抱えたワケあり人。店主は彼らを見ると何かを察して優しい言葉を投げかけつつ、腕をふるっていく。「チャーハン」や「ラーメン」のような定番どころから、「アジの姿造り」や「里芋とイカの煮物」などなど。どれも絶品で客は感激するのだが、店主からのアドバイスだけはイマイチで……。

 店主は親切で料理の腕前も一流なのだが、どうも的はずれなことばかりを言ってしまうキャラクター。作中で披露するアドバイスは店内での会話や見た目を踏まえているのだが、絶妙にズレているのだ。例えば、経理担当の男性を営業マンだと勘違いしたり、買い物帰りの主婦を万引きGメンだと思い込んだり。また、毎回“それっぽい格言”を引用しているのも、シュールさに拍車をかけている。

 一方、グルメを題材にしているだけあって、調理シーンの作画は圧巻の一言。それでいて擬音は少なく、シンプルに絵だけで食材の質感を表現している。さらに登場する料理の多くが日本人にとって馴染み深いメニューで構成されているため、味の想像がつきやすいのもポイントだろう。

 まさしく“飯テロ”マンガのお手本と言っても過言ではない『飯を喰らひて華と告ぐ』。既刊3巻ながらSNS上でも大きな話題を集めており、「飯テロな美しい画とクセの強い店主の言葉ひとつひとつが、このマンガに出会えた幸運を誰かに分け与えたくさせる」「とにかく圧倒的な画力で迫力のある調理シーンは思わず息を呑んでしまうが、その後のペラペラな説法でクスッと笑ってしまう」「料理シーンの画力の高さと、それとは相反する謎のじわじわくる笑いのバランスが絶妙」と大好評のようだ。

 そうした口コミ人気も手伝ってか、2024年7月期にTOKYO MXで実写版が放送される運びに。店主役を務めるのは名優・仲村トオルで、その仕上がりぶりに原作者・足立和平も自身のX(旧Twitter)で「もう店主(オヤジ)にしか見えない…! 最高です!」と大絶賛していた。

 また原作ファンからは、「あの調理シーンが映像でどう表現されるのか期待!」「実写で見たかった作品だから楽しみ」「仲村トオルは絶対合ってるから楽しみすぎる」と期待の声が続出している。

 そして今回発売されたコミックス最新第3巻では、「麻婆豆腐」「豚肉ときくらげの卵炒め」「いわしフライ」「カレー」ほか全6品が振る舞われる模様。調理シーンはもちろんのこと、店主からどんな珍言が飛び出すのかも注目だ。

 新年度も一段落し、何かと疲労が溜まっている人も多いだろう。そんなタイミングだからこそ、『飯を喰らひて華と告ぐ』のシュールな笑いと飯テロは刺さるはず。気になる人は、ぜひ「一香軒」を覗き込んでみてはいかがだろうか?

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