毒性のある「プベルル酸」ってそもそも何? 専門家に聞いた 小林製薬“紅麹”問題 愛知県で2人入院

小林製薬の「紅麹」成分を含むサプリメントによる健康被害で、愛知県で2人が入院していることがわかりました。

そして、紅麹の製造工場では、本来あるはずのない「プベルル酸」が検出されました…いったいどんな物質なのでしょうか。

(愛知県 大村秀章知事)
「小林製薬が販売した『紅麹サプリメント』を摂取していたとされる方が2人入院しております」

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小林製薬の紅麹サプリの健康被害が広がっています。

愛知県では2人が入院。

紅麹を製造していた小林製薬の大阪工場には、厚生労働省と大阪市が立ち入り検査を行いました。

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この工場で去年4月から10月に製造された「紅麹原料」からは、未知の成分「プベルル酸」などが検出されています。

これはいったいどんな物質なのか…医薬品に詳しい、名古屋市立大学の中川秀彦教授に聞きました。

(名古屋市立大学 薬学研究科 中川秀彦教授)
「プベルル酸というものは、主に青カビが産生する物質。マラリア原虫に対する抑制効果が論文で報告されていて、毒性のある化合物」

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毒性のあるプベルル酸、これを生み出すのが青カビです。

(中川教授)
「プベルル酸がサプリの中に一定量以上含まれるためには、紅麹菌を培養している段階で青カビが混入して、青カビも一緒に培養された可能性もある」

通常、食品工場では青カビが混入しないよう整備されていますが、今回、何らかの理由でこの青カビが混入したのではないかと中川教授はみています。

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プベルル酸の毒性は、どのようなものなのか。中川教授は人体への影響ははっきりとはわかっていないとした上で…

(中川教授)
「トロポロン化合物という微生物がつくる一群の化合物があって、(プべルル酸は)その仲間。トロポロン化合物の中には、肝臓や腎臓に毒性を出すものがある。プベルル酸もそういう可能性がある」

さらに今回、サプリメントで服用したことも健康被害につながった恐れがあるとみています。

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(中川教授)
「ほんの少しでも直ちに腎臓の疾患につながるかというと、そういうわけではない。ある程度の多用を継続的に摂取したとき、その(腎臓疾患の)可能性が高くなる」

中川教授は尿が泡立つ、いつもと色が違うなど、気になる場合は医療機関にすぐに相談するよう呼びかけています。

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