遺体と一緒に棺に入れる「あるもの」で死亡事故!? 約6割は国による注意喚起を知らず。事故を防ぐ対策とは
2023年に起きた、棺内のドライアイスによる事故
消費者庁では、日常の消費生活での意識や行動、消費者問題などについて、その時々のテーマで随時調査を実施しています。今回注目するのは、昨年に起こった「棺(ひつぎ)内のドライアイスによる事故」に関して行われた調査。葬儀の際には遺体の保冷のために棺の中にドライアイスを入れますが、ドライアイスによって二酸化炭素が発生し、それを吸い込んだ人が二酸化炭素中毒で死亡したと疑われる事故が複数報告されているのです。
事故を受けて消費者庁は2023年9月21日に広く注意喚起を行いました。注意喚起はテレビやインターネットでのニュース、SNS等において発信、拡散されましたが、皆さんは目にした記憶がありますか? どのような注意が必要なのかも含めて、アンケート調査の結果を見ていきましょう。
※画像はイメージです
事故の注意喚起を見聞きした人は15%以下
まずは、この「棺内のドライアイスによる事故」に関して、消費者庁と国民生活センターからの注意喚起を見聞きしたことがあるかを聞いた設問では、「見聞きしたことがある」と回答した人は14.2%でした。反対に「見聞きしたことはない」という人は58.4%で約6割に。また、「分からない・覚えていない」が27.4%という結果となっています。
この注意喚起についてはテレビやインターネット、SNSなどを使って発信・拡散されたようですが、実際に目にしたという人はわずか15%に満たない少数でした。
あなたは、これまでに「棺(ひつぎ)内のドライアイスによる事故」に関して、消費者庁と国民生活センターからの注意喚起を見聞きしたことはありますか。
―消費者庁「令和5年度第5回消費生活意識調査」より
事故の注意喚起を知ったのは「テレビ」が約6割
前問で注意喚起を見聞きしたと回答した人を対象に、どのようなメディアで見聞きしたかを聞いた設問では、「テレビ番組」が59.0%で圧倒的多数を占めました。「その他のウェブサイト(ニュースサイト等。SNSを除く)」が23.7%、「新聞記事」が21.5%と続いています。最近はSNSで情報を得る人も多いと思われますが、ニュース性の強いものはテレビやニュースサイト、新聞の力がやはり大きいようです。
「消費者庁または国民生活センターのウェブサイト」という人も13.2%もいましたが、これらは日頃から意識的に情報を集めている人々だと思われます。
あなたは、「棺内のドライアイスによる事故」に関する消費者庁と国民生活センターからの注意喚起をどのようなところで見聞きしましたか。
―消費者庁「令和5年度第5回消費生活意識調査」より
事故の注意喚起で「注意しようと思った」が8割以上
注意喚起を「見聞きした」と回答した人を対象に、この注意喚起によって「棺内のドライアイスの危険性または閉鎖空間におけるドライアイスの取扱い方」に対する意識に変化があったかを聞いた設問では、「注意喚起をきっかけに、注意しようと思った」と回答した人が最も多く、68.2%がこれを選択しています。また、「以前から気を付けていたが、より注意しようと思った」を選択した人が18.5%でした。この2つを合わせると8割以上となり、多くの人が注意喚起によって意識を変えたことがわかります。
「棺内のドライアイスによる事故」に関する消費者庁と国民生活センターからの注意喚起によって、棺内のドライアイスの危険性または閉鎖空間におけるドライアイスの取扱い方に対するあなたの認識は変わりましたか。
―消費者庁「令和5年度第5回消費生活意識調査」より
事故を防ぐために注意したいことは?
消費者庁と国民生活センターでは、事故を防ぐための対策として、次の5点をアドバイスしています。
✅棺の中に顔を入れないこと
✅室内の喚起を十分に行うこと
✅線香番(一般的には通夜のあとに遺族等が遺体を夜通し見守ること)などで一人にならないこと
✅気分が悪くなったら棺から離れ、異常があれば直ちに119番に通報すること
✅不明なことがあれば葬儀業者に確認すること
葬儀自体がそう頻繁にあるものではありませんから、そのときに実践できるよう、対策をわかりやすい場所にメモしておくなどしておくとよいかもしれませんね。
<参考>消費者庁:棺内のドライアイスによる二酸化炭素中毒に注意
まとめ
今回は、棺内でのドライアイスによる事故に関する人々の意識調査の結果をご紹介しました。皆さんは事故のリスクや対策について、ご存じでしたか? 両親が亡くなったときなどには、喪主を務めるという人も子育て世代には多いでしょう。初めて知ったという人は、何となく頭の隅に記憶しておくと、いざというときに役立つかもしれませんね。
(マイナビ子育て編集部)
調査概要
■令和5年度第5回消費生活意識調査/消費者庁
調査対象:15歳以上の男女(15~19 歳、20~29 歳、30~39 歳、40~49 歳、50~59 歳、60~69 歳、70歳以上の7段階)
調査時期:令和6年2⽉8⽇〜2月11⽇
サンプル数:5,000
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