自分から勉強する子になる! 子どもが食いつく意外なご褒美とは?

子どもが自分から勉強するようになってほしい!

こんにちは。中学受験専門塾 伸学会代表の菊池です。

今回の記事では、子どもの勉強量を増やすことに成功した試行錯誤の事例をご紹介します。

あなたのお子さんは、日々自分から積極的に勉強に取り組むことができていますか?

もし「なかなか勉強量が増えない」「宿題がちゃんと終わらない」「言わないと勉強しない」といったお悩みがあるようでしたら、今回の記事は役に立つと思います。

以前の記事「わが子のやる気の源は何だろう?」でお話ししたように、勉強のやる気の源には様々なパターンがあります。

このときは6つのパターンにわけて解説しましたが、その一つひとつを見てみても、さらに様々な具体的なアプローチの方法があります。

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どんなアプローチがお子さんに合うのか、見極めるには試行錯誤が必要

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たとえば、「ご褒美でやる気を引き出す」という方法を使うとしても、何をご褒美にするかで効果があったりなかったりします。

一発であなたのお子さんに合うピッタリなものが見つかるとは限りません。むしろ、見つからない確率の方が高いでしょう。

ここが、まさに試行錯誤のしどころなわけです。

そして、うまくいかなかったら別のもの……といろいろ試してみると、私たち大人の想像以上に子どもが食いつくものが見つかることもあります。

今回ご紹介するのも、「そんなちょっとしたもので、そんなに食いついてくれるの!?」と笑ってしまいそうになるような成功事例です。

あなたのお子さんにそのまま使えるとは限りませんが、同じように「些細なものなのがめちゃめちゃ刺さる」ことがあるかもしれません。

こちらの事例を参考にして、ぜひご家庭で試行錯誤してみてくださいね。

試行錯誤の成功事例

小3男子の親であるAさんは、お子さんに「達成感」を感じてもらうための取り組みをはじめました。

まだまだ「中学受験をする」という自覚も乏しい小3男子。毎日の勉強も、特に目標があるわけでもなく、ただただ準備されたものをこなしているだけでした。

本人が「何のためにやって、どんな力がついているの?」と疑問を抱いていたため、Aさんは「まずは小さな目標を作り、できたことを可視化することで達成感を味わってほしい」と思いました。そこで目をつけたのが、文具店などで売っている「小さな丸いシール」です。

Aさんの取り組み「シールあつめ」の内容

国語と算数の課題(SAPIXの宿題および問題集など)を表にして、

・全問正解で金シール
・1問間違いオレンジシール
・2問間違い青シール
・それ以上の間違いはシールなし

(ただし、間違いも1週間後に直したら金シールに貼り直しOK)

このようにルールを設定し、勉強量を「見える化」しました。

その結果、お子さんは金シールを集められることに興奮し、シールを集めるためにどんどん量をこなし、難しい問題にもチャレンジするようになりました。週7日、毎朝1時間~1時間半弱と、まだ波は多少ありますが、意欲的に取り組んでいるそうです。

そしてなんと、お子さんのSAPIXの偏差値は、43→53に10もアップ!さらにクラスも2クラスアップし、順位も1600くらい上がりました。

クラスが上がると、クラスメートとする会話もより刺激的で面白いと感じるようで、「もっと上のクラスにいったらどんな子がいて、どんな勉強をしているのか、会って話してみたい」と言ったそうです。

良い結果になった理由はどんなところにあるのか、Aさんは次のように述べています。

「自分のやっていることが、シールという見える形になったことで、達成感を感じてやる気が刺激され、さらにテストの結果も伴ってきたので、自信がついたのだと思います。志望校もまったく決まっていない小3の息子には、遠い目標は分かりにくいでしょうし、SAPIXのクラスの順位を上げるのが目標と言っても、何をすればいいのかわからなかったんです。『シールあつめ』をやってみて、やはり毎日の小さな行動をコツコツと積み上げるのが大切なのだと実感しました」(Aさん)

ご褒美目当てから徐々に目的をシフトさせる

ということで、こちらのご家庭では「金シール」に食いついて子どものモチベーションが爆上がりしたとのことでした。

金シールはAmazonで200円も出せば買えますし、ご近所の100均にも売っているんじゃないでしょうか。

ぶっちゃけた話、金色だろうと青だろうと大人からすると同じ値段なんですよね。

でも、子どもは金シール・銀シールには異様に食いつきます(笑)

けっこう成功確率が高いので、ぜひ試してみてもらえればと思います。

ちなみにAさんのお子さんは、成績が上がりクラスが上がったことで、さらにテンションが上がり、今では金シール無しでも普通に勉強するようになったそうです。

勉強は、成果が出ると楽しくなるものですよね。

これは私の生徒達も似たようなパターンになることが多く、4年生・5年生のうちはご褒美ポイント目当てに宿題をする子が多いのですが、だんだんと成績アップや受験の合格の方に目的が切り替わっていきます。

最初から成績アップや合格を目指して頑張らせようとしても、だいたいの場合うまくいきません。

徐々にステップアップできるように導いてあげてくださいね。

中学受験ナビの連載『親子のノリノリ試行錯誤で、子供は伸びる』の記事を、マイナビ子育て編集部が再編集のうえで掲載しています。元の記事はコチラ

https://katekyo.mynavi.jp/juken

菊池洋匡

この記事の執筆者
菊池洋匡
中学受験専門塾 伸学会代表。開成中学・高校・慶應義塾大学法学部法律学科を卒業。算数オリンピック銀メダリスト。著書に『小学生の勉強は習慣が9割 自分から机に向かえる子になる科学的に正しいメソッド』(SBクリエイティブ)『「やる気」を科学的に分析してわかった 小学生の子が勉強にハマる方法』(秦一生氏との共著、実務教育出版)『「記憶」を科学的に分析してわかった 小学生の子の成績に最短で直結する勉強法』(実務教育出版)。伸学会HP:https://www.singakukai.com/

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