ソウルで観光客に知られていない激アツ焼肉店  500組待ちの行列を回避するワザ

ソウルでも大人気の焼肉店には大行列ができている。「コドシック」の店前で。

 韓国のグルメといえば焼肉。せっかく韓国旅行するなら、食事は絶対にハズしたくない。ソウル出身の映像クリエイター、スージー・キムさんに、韓国では知らない人がいない、でも観光客にはあまり知られていない焼肉店を教えてもらった。

【写真】「愛の不時着」のヒョンビン夫妻が訪れる焼肉店は意外にも庶民的

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 いまは東京で映像の仕事をしているソウル出身の私が、ソウルへ行く日本人の知人達から必ず聞かれること。それは「ソウルでおいしい焼肉ってどこ?」

 正直言って、私がソウルに帰ったら必ず行きたいお店はいつも大人気。これ以上混んだら困るので、ほんとうは教えたくないのだけど、「せっかく韓国に行ったのに、ガイドブックを見ていったら、店内ほぼ日本人だった…」なんて、残念な思いをしてほしくない! という気持ちで果敢にご紹介します! 記事の最後には、行列に並ぶ際のちょっとしたTIPも記載しておきますね。

焼肉はもちろんサイドメニューも全て外さない店

 このお店の代表は、元有名美食家ブロガーで、肉に本気な男! 仕入れから焼き加減まで徹底した炭火焼き専門店が「コドシック」です。韓国に旅行した指原莉乃さんもYou Tubeで絶賛していました。

 私の一番のおすすめは、アルデゥンシム(骨付きロ-ス)。韓国の豚肉といえば、サムギョプサルのイメージが強いですが、脂が多いのでちょっと重いと感じることも(もちろん、このお店のサムギョプサルもおいしいですが)。個人的には、脂は少ないのに柔らかくてあっさりしたアルデゥンシムがおすすめです!

 韓国のいろんなお店で食べてきて、おいしい焼肉はたくさんあります。では、なぜここを一番にあげるのか。それは、サイドメニューも全部おいしいからです! 韓国では数年前から流行り出して、今ではどこもがやっている「肉に冷麺を巻いて食べる」のを最初に広めたのも、このお店。麺、ユッケ、ビビンバなどのサイドメニューも本気でおいしいです。そんな中でも絶対食べてほしいのが炒飯! 焼肉店だからこその強い火力で炒めた絶品です。

「コドシック」・地下鉄「麻浦(マポ)駅」から徒歩5分・18:00〜20:00の予約は不可・待機場所設備あり

ヒョンビン夫妻も行きつけのサムギョプサル

 ドラマ『愛の不時着』でお馴染みのヒョンビン、ソン・イェジン夫妻やイ・ビョンホン、イ・ミンジョン夫妻の行きつけが「サンチョン炭火ガーデン」。 

 ヒョンビン夫妻が結婚後初めてお出かけした店、と伝えられてからは、韓国内では誰もが知る大人気店になり、多い日は500組待ちを超える日も! メインは高原黒豚のサムギョプサル。

 韓国の人にとってサムギョプサルはソウルフードのようなもの。だからサムギョプサルの味にはうるさい人が多いです。そんな韓国人がそれだけ待っても食べたいサプギョプサル、ということですから、間違いなく期待を外しません。

 このお店の魅力ポイントは、いろんなサムギョプサルの食べ方ができることです。たとえばこんな提案がされています。

1)最初のひと口はオリジナル塩をつけて食べる

2)焼いたネギとタニシの塩辛ソースにつけて食べる

3)明太子とワサビをつけて食べる

4)ネギキムチと唐辛子漬けを肉に乗せて食べる

5)豆の葉漬けにワサビと肉を巻いて食べる「慶尚道式」(地方の)食べ方

 韓国人でも食べたことのない組み合わせがあって、サムギョプサルの新しい発見ができます。

「サンチョン炭火ガーデン」・地下鉄「乙支路3街(ウルジロサンガ)駅」から徒歩1分

冷麺がおいしいことも韓国人には必須ポイント

  1986年に開店した大人気豚カルビ専門店「ビョクジェカルビ」から、平壌冷麺をメインにして再オープンした冷麺専門店が「ボンピヤン」です。韓国の中でも冷麺の種類はいくつかありますが、根強い人気があるのが北朝鮮の平壌冷麺。

 平壌冷麺は味が薄いことが特徴です。初めて食べる若者は「えっ?味がない?」ってなりますが、薄味だからこそ感じる冷麺本来の味やさっぱりさから、3回食べるとハマって虜になると言われています。韓国人でもその本場の味を知っている人がどんどん減っていく中、「ボンピヤン」は平壌冷麺の代表的なお店として愛されています。

 もちろん豚カルビもおいしいに決まってます! このお店ではタレに漢方が加えられていることで、より肉が柔らかく健康にも良さそうな深みのある味になっています。

「ボンピヤン」・地下鉄「芳荑(バンイ)駅」から徒歩3分・待機場所設備あり

「パリパリ(早く早く)文化」の韓国ならではのシステム

 ご紹介した大人気店、行きたいけれど、「せっかくの旅行でそんなに待つのは、時間がもったいない…」と思ってしまいますよね。そこで、快適な韓国旅行のために、ちょっとしたコツをお教えしましょう!

 韓国は「パリパリ(早く早く)文化」で知られるほど、気が短い人が多いのです。300組待ちというお店の前で行列に並んでいられると思いますか? 韓国人の私だからこそ断言できます。絶対無理です! では、どうやって大人気店に入るのでしょう。それは、待つのが大嫌いな韓国人だからこそ使うシステムがあるのです。

 行列ができるお店の前にはほぼタッチパネルがあって、そこで情報を登録します。大体の機械は英語でも入力ができますが、もし韓国語しか入力ができない場合は、名前をハングル表記にしたメモを用意して、店員さんや周りの人に助けを求めましょう。(一見、ツンツンしてるようでも実は親切に助けてくれるはずなので、最初の態度にひるまないで下さい!)。

 タッチパネルに情報を入力する際、必要なアプリが「カカオトーク」です。 LINEのようなチャットアプリです。タッチパネルで登録すると、待機番号が出され、番号が近づいたらお店からカカオトークにメッセージが届きます。「あと3組です。お店の前に来てください」と。

 この登録をすれば、お店の前で待つ必要はありません! 買い物したり、カフェに行って時間を有効に使いましょう。特に、今回紹介したのは大人気店ですので、お昼に一度お店に行って登録してから観光を続けて夕方から食事、というのが効率良く楽しめると思います。

 では、この記事をお読みになった皆さんの韓国旅行がより快適で美味しい旅になりますように!

取材・文/Soozy Kim

 

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