【100年心臓をつくる】医師が勧める「心臓に優しい食生活」10のコツ

「100年心臓」を作るための具体的な方法は?(イメージ)

「人生100年時代」は、いかに「元気で長生きできるか」が焦点となる。「健康寿命」を左右する要素は数多くあるが、なかでも重要なのが「心臓」の健康だ。

【一覧】池谷式「心臓に優しい食生活」のコツ10

 健康維持に「100年もつ心臓=100年心臓」が大事になると説くのが、「血管の専門医」で『60歳を過ぎても血管年齢30歳の名医が教える「100年心臓」のつくり方』(東洋経済新報社)の著者・池谷敏郎医師(池谷医院院長)だ。

 池谷医師が提唱する「100年心臓」を作るための具体的なメソッドを別掲図に示した。食事の方法や何気ない生活のなかにも、「心臓によいこと、悪いこと」が潜んでいる。

 食生活では「よく噛む」「朝食は抜かない」など基本的な事柄から、心臓にいい食材の摂取の方法などが挙げられている。

「食べすぎずに肥満を防ぐ意識が大前提。基本は3食食べるなかで野菜を積極的に摂り、炭水化物を減らす食事です。その基本をクリアしたうえで、青魚のEPA・DHA、ストレスを軽減するGABAなどのスター成分やスーパーフードを取り入れてほしい」(以下、「 」のコメントは池谷医師)

 目覚ましの音は大音量にしない、排便時にはいきみすぎないなど、朝起きてから寝るまでの心がけも重要だ。

「大音量の目覚ましは交感神経を一気に緊張させ、心拍数や血圧が急上昇します。同様に冬の朝風呂や夏の朝の冷たいシャワーによる寒冷刺激も血圧が急に上昇するので要注意。反対に、時間をかけてぬるめの湯船に入り、出る時もゆっくりと動作すると、血圧の乱高下を防ぐことができ、心臓に負担をかけずにすみます」

 就寝時には、汗をよく吸い取り伸縮性のあるスポーツウェアを着ることで深部体温を下げ、熟睡しやすくなるという。

池谷式「心臓に優しい食生活」10のコツ

【よく噛んで食べる】
 咀嚼は満腹中枢を刺激するため、適量でお腹いっぱいになる。また、噛むことは食後の血糖値上昇を抑えてくれる。

【朝食は抜かない】
 朝食を抜くと、午前中空腹でイライラして交感神経が高ぶることに。また、朝食を抜くことで、昼食後の血糖値が上がりやすくなってしまう。

【アルコールは適量を楽しく飲む】
 リラックス効果から、適量であれば自律神経にもいい影響を及ぼす可能性がある。交感神経の緊張を和らげて、末梢血管を開いて血流をよくしてくれる。ただし、過度の飲酒は厳禁。

【スーパーフード「ブロッコリースプラウト」を生のまましっかり噛んで食べる】
 強い抗酸化作用と内臓脂肪を減らして肥満を抑制する効果のあるスルフォラファンが豊富に含まれている。

【サバ缶を汁ごと活用する】
 心臓を元気にするスター成分であるGABA、EPA、DHAなどが含まれている。汁に栄養素が流れ出ているため、汁ごと使う。

【糖質摂取は午後2~6時がゴールデンタイム】
 1日の間で最も脂肪がたまりにくい時間帯である可能性が示されている。

【甘い物は「チョコ」+「バナナ」の「チョコギャバナ」】
 どちらもGABAが豊富な食材。ストレス軽減だけでなく、血圧を下げる効果も。

【青魚は「生」で食べる】
 EPA、DHAが豊富な青魚だが、加熱調理をするといい成分が流れ出てしまう。刺身やカルパッチョにするのがおすすめ。

【心臓にいい油を使う】
 動脈硬化を進める油を避け、「えごま油」「亜麻仁油」などを使う。

【もち麦を白米に混ぜて炊く】
 食物繊維が白米の約25倍含まれ、カルシウムや鉄分、カリウムやビタミンB1、たんぱく質がバランスよく含まれているヘルシーフード。

※週刊ポスト2023年6月2日号

ジャンルで探す