【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も

元通訳の水谷氏にさらなる疑惑も出てきた(写真/USA Today Sports/Aflo)

 ついに明らかになった水原一平容疑者(39才)による賭博スキャンダルの全容は、その額も回数も犯行手口もあまりに想定外。大谷翔平(29才)の証言はすべて正しかったという安堵の一方で、暴かれた水原容疑者の“裏の顔”は強烈だった。そんな彼を待ち受ける今後の厳しい現実とは──。【前後編の前編。後編を読む

【写真】ゆったり余裕のあるシート、機内で並ぶ大谷翔平と真美子さん。他、タイトなジャージ姿の大谷、韓国でのツーショットも

 4月12日(日本時間・以下同)、アメリカ連邦捜査当局は記者会見を開き、大谷翔平(29才)の元通訳・水原一平容疑者(39才)を銀行詐欺の容疑で訴追したと発表した。そこで初めて明かされた捜査結果は、当初、世間が思い描いていた想定をはるかに上回るものだった。2年以上にわたり繰り返してきた賭けの総回数は1万9000回以上。約213億円の勝ちに対し、負けは約275億円で、純損失は62億円以上にのぼる。

「水原容疑者が大谷選手の口座から奪い取った被害額は約24億円。当初伝えられた約6億8000万円の3倍以上です」(在米ジャーナリスト)

 違法賭博にのめり込んだ水原容疑者によって、大谷の口座から違法ブックメーカーの胴元、マシュー・ボウヤー氏へと送金が始まったのは2021年11月16日。奇しくも、大谷が日本人として史上2人目となるMVPを初めて受賞し、「いちばんお世話になった」と水原容疑者に感謝の言葉を述べた日の翌日だった。

「渡米当初、大谷選手がアメリカで銀行口座を開設する際、水原容疑者は通訳として付き添い、作業を手伝った。その関係性を利用し、大谷選手の年俸が振り込まれる口座を自由にしていたのです。自身の賭け金を支払うために大谷選手本人を装って銀行に電話し、ブックメーカーに送金する承認を得ていました」(現地特派員)

 さらに口座での金銭のやり取りの通知が大谷のもとに届かないよう、メールアドレスや電話番号を変更する細工まで施し、ギャンブルの勝ち分については、自身の口座に振り込まれるように設定していた。

「一方、税務上の懸念を示す代理人や会計士には、大谷が『この口座はプライベートで誰にも取引を把握されたくない』と言っていると言い張り、第三者の目が及ばないようにしていたそうです」(前出・現地特派員)

 こうして大谷の口座に自由にアクセスできるようにして、1日平均で25回以上、1回あたりの平均賭け金200万円という狂気のギャンブルを続けてきたのである。訴状で明かされた、ボウヤー氏とのメールのやり取りには、他人の大金を豪胆に使い続ける水原容疑者の様子が生々しく浮かび上がってくる。

《ぼくは本当にスポーツ賭博が下手なんだ(笑い)。限度額を上げてもらえない? 知ってるだろ、支払いは心配ないって》

 こうボウヤー氏にメールしたのは2022年11月14日。大谷がWBCに出場する意思を栗山英樹監督(当時)に伝えたと、自身のインスタグラムで発表する2日前のことだ。ほかにも訴状には何通も限度額を上げるよう交渉するメールが出てくるが、そこには日本語の「(笑)」にあたる「LOL」が多用され、水原容疑者に罪の意識は感じられない。

 やがて支払いに行き詰まるようになると、ボウヤー氏から身の毛もよだつ“追い込みメール”が届くようになる。

《ヘイ、イッピー(原文ママ)。いま金曜の2時だが、なぜ折り返し電話をくれないんだ。いま、ニューポートビーチにいるんだが、オオタニが犬と一緒に散歩している。彼に話しかけて、どうやったらお前と連絡が取れるか聞いてみようか?》

 このメールの日付は2023年11月17日。大谷が史上2度目のMVPを満票で獲得した翌日である。大谷が真美子さんと入籍する準備のため緊急帰国し、大使館を電撃訪問するなど忙しかった今年1月には、支払いを迫るボウヤー氏にこう連絡していた。

《申し訳ない。2日前に日本から戻って、また明日行って中旬に戻る。正直、いま大変な状況なのでもう少し支払いを待ってほしい》

「負けた総額の62億円のうち、大谷選手が被害にあったのは約24億円。差額の38億円については明らかにされていませんが、水原容疑者の収入では払いきれない額です。家族や友人からも借金を重ねていたようですが、相当な未払いがあったのではないか。ただ、ボウヤー氏がこんな多額のツケを残していたとは考えにくく、水原容疑者が仲介した仕事などで、大谷選手の収入をピンハネして負け分を支払っていた疑惑も出ています」(スポーツライター)

 真相を知った大谷のショックはいかばかりだったか。ボウヤー氏は、大谷が愛犬・デコピンとビーチを散歩しているところまでも監視。もう少し時期が経っていれば、真美子さんにまで危害が及びかねない状況にあったのだ。

後編へ続く

※女性セブン2024年5月2日号

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