お子様厳禁! トラウマになるアニメ映画3選「ぶっ飛びすぎ」「寝られなくなりそう」

寝る前とお風呂の前は閲覧注意

画像は映画『整形水』ポスタービジュアル (C)2020 SS Animent Inc. & Studio Animal &SBA. All rights reserved.

画像は映画『整形水』ポスタービジュアル (C)2020 SS Animent Inc. & Studio Animal &SBA. All rights reserved.

 TVアニメ作品よりも手軽で最後まで観やすいのが、アニメ映画の魅力のひとつです。刺激やスリルを味わいたいときにもぴったりで、その怖さはトラウマ級と呼ばれることもあります。ネット上で「見入ってしまう」「うわさ通り、ガチでグロくてぶっ飛んでいた」と評判の、トラウマ注意なアニメ映画を3作品、みてみましょう。

●『整形水』

 幼少時からバレエを習っていた「イェジ(CV:沢城みゆき)」は、当時から外見にコンプレックスを持っていました。大人になってタレントのメイク担当をしていたところ、エキストラで出たTV映像がネット上で叩かれ、実家に引きこもってしまいます。

 ある日、水と混ぜて顔を浸せば、思い通りの見た目に整えられるという、うわさの「整形水」がイェジの家に届きました。はじめは半信半疑だったものの、実際に使用したことで整形水の効果を実感します。そして「イェジ」ではなく「ソレ」と名乗り人生をやり直しますが、整形水は万能薬ではありませんでした。

『整形水』は、韓国マンガ『奇々怪々』内の「整形水」(著:Osd)を原作としたアニメです。「美(にく)をください」というキャッチコピーが生々しい本作では、美を追い求めるあまり道を踏み外していくイェジと、周囲の反応の変わりようが描かれます。

 チョ・ギョンフン監督は、「外見至上主義に対する絶望と悲しみを表現したかった」と語っています。イェジは整形水を使ってどんどん美しくなりますが、その一方で内面は醜く高飛車になっていきます。他人の反応もあからさまに変わり、イェジは整形水に依存していくのです。

 なお、吹き替えキャストは上述した沢城みゆきさんのほか、諏訪部順一さん、上坂すみれさん、日野聡さんといった顔ぶれです。イェジ役の沢城さんは「ラストは、日本だとそこまでやらないと思うほどの衝撃の展開」と述べています。アニメだからこそ表現できたであろう衝撃のラストは必見です。

『整形水』は、「dアニメストア」「Amazon Prime Video」「U-NEXT」ほか配信サービスで観られます。

●『PERFECT BLUE』

 アイドルグループ「CHAM(チャム)」のメンバーである「未麻(CV:岩男潤子)」は、グループを脱退し、新人女優に転向しました。しかし未麻のもとに舞い込む仕事は、過激なシーンを演じるものや、服を脱いでのグラビアなど、未麻の意志に反するものばかりです。

 さらに、何者かが運営しているホームページ「未麻の部屋」には、未麻のプライベート情報が細かく更新されていきます。未麻の関係者も次々と殺人事件に巻き込まれ、精神的に不安定になっていく未麻は、だんだんと幻想を見るようになるのでした。

『PERFECT BLUE』は、メタモル出版による小説『パーフェクト・ブルー:完全変態』(著:竹内義和)を原作としたアニメ映画です。徐々に精神のバランスを崩していく未麻の様子と、気味の悪い殺人事件の連続に静かな怖さがあり、目が離せなくなります。

 本作は、『パプリカ』『千年女優』を手掛ける今敏さんの初監督作品です。未麻がTVドラマで「あなた……誰なの?」というセリフをもらうあたりから、未麻はアイドルだった自分の幻想を見るようになります。そして、ストーカーらしき人物の視線も感じるようになるのです。

「成長に伴う迷いと混沌」が主なテーマだという本作では、ところどころで幻想を見る未麻目線のシーンが描かれています。そのため、視聴者も未麻と同じように、劇中における現実と幻想の境目が分からなくなり、彼女の怖さを追体験する構造になっています。

「自分」とは、一体何なのか……最後まで観ると、きっと人間の恐ろしさを感じることでしょう。ネット上でも、その結末についてのさまざまな考察が飛び交っています。

『PERFECT BLUE』は、「dアニメストア」「Hulu」「バンダイチャンネル」ほか配信サービスで観られます。

国内外で高い評価を受け続ける、ミステリアスな作品も

画像は「『AKIRA』4Kリマスターセット 4K ULTRA HD Blu-ray & Blu-ray Disc (特装限定版) 」(バンダイナムコアーツ)

画像は「『AKIRA』4Kリマスターセット 4K ULTRA HD Blu-ray & Blu-ray Disc (特装限定版) 」(バンダイナムコアーツ)

●『AKIRA』

 1988年に第三次世界大戦が勃発してから、31年後の2019年。東京は「ネオ東京」として復興を遂げていました。ただしネオ東京の治安は悪く、バイク団のリーダーである「金田」は、仲間の「鉄雄」たちと一緒に、夜な夜なほかのバイク団と乱闘しています。

 ある日、子供をひきそうになりケガをした鉄雄は、突然現れた軍のヘリに連れていかれてしまいます。鉄雄は運ばれた先の研究所で不思議な力に目覚め、街では謎の兵器「アキラ」の覚醒が叫ばれていました。金田は暴走する鉄雄を気にかけ、彼を取り戻そうとします。

『AKIRA』は、同題マンガ(著:大友克洋/講談社)を原作としたアニメです。1988年に製作された本作は、当時では破格の総製作費約10億円をかけた大作であり、今もなお国内外で高い評価を受けているアニメ映画です。

 タイトルにもなっている「AKIRA」とは何なのか、前半では特に説明もなく、巨大な力であることだけが示されます。そのようなAKIRAと関係の深そうな子供は「26号」と号数で呼ばれており、謎の力を持っています。肌は青く顔だけは老人という、どこか気味の悪い子供です。

 26号や鉄雄を拘束する目的は何なのか、軍や科学者、ゲリラたちは「AKIRA」の目覚めを受けどう動くのか。力に目覚めた鉄雄の変わり果てた姿が、トラウマになった方もいるのではないでしょうか。そして、意味深なセリフが多い本作は難解で、その意図を考えさせられます。

 巨大な力を前にした人びとの本性や、その力に飲み込まれる人びとをリアルに描く本作は、作画的にも内容的にも「グロさ」がトラウマ級の作品です。

『AKIRA』は、「dアニメストア」「Netflix」「U-NEXT」ほか配信サービスで観られます。

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 人間の暗部をえぐりだして見せつけてくるようなアニメ映画は、視聴者にトラウマを残し、その人の価値観を変えてしまうこともあります。その強烈さがあるからこそ、人びとを惹きつけるのかもしれません。夢に出てくるかもしれませんので、視聴のタイミングにはお気を付けください。

※配信状況は記事掲載時点のものです。

(新美友那)

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