TVと連動がスゴかった! 『仮面ライダーBLACK』変身ベルトおもちゃの衝撃

どういう仕組? TVと連動した変身ベルト玩具

リブート作『仮面ライダーBLACK SUN』の応援プロジェクトとして実施されたクラウドファンディングで、リターンのひとつとして復刻された『仮面ライダーBLACK』の「DX変身ベルト」(一般販売はありません)

リブート作『仮面ライダーBLACK SUN』の応援プロジェクトとして実施されたクラウドファンディングで、リターンのひとつとして復刻された『仮面ライダーBLACK』の「DX変身ベルト」(一般販売はありません)

 組んだ拳をギリリと握り、勢いをつけて「変……身!」

 仮面ライダーBLACKこと南光太郎が変身ポーズをキメると、腰に変身ベルトが現れてまばゆい光を発する。するとTV画面が激しく点滅し、その点滅をキャッチした「DX変身ベルト」も自動的に作動する……。

 1987年に全51話が放送され、翌1988年には続編『仮面ライダーBLACK RX』が全47話放送された本作。2シリーズ連続で主役を務めるという『仮面ライダー』史上初の快挙で、しかも「悪の仮面ライダー」「フォームチェンジ」など、現在では当たり前となったさまざまな要素を取り入れるなど、あらゆる面でエポックメイキングでした。

 その人気は現在も根強く、南光太郎役の「倉田てつを」が同じ役柄でシリーズ作品にカムバックしたり、2022年秋からはリブート版『仮面ライダーBLACK SUN』が「Prime Video」で独占配信されたりするなど話題が尽きません。

 そんな『仮面ライダーBLACK』が本放送当時に発売したおもちゃ「DX変身ベルト」もまた、時代を先取るギミックが話題になっていたのをご存知でしょうか。

●テレビパワーをキャッチしろ! 光る、回る……TVで変身「DX変身ベルト」

『仮面ライダーBLACK』の「DX変身ベルト」が画期的だったのは、「テレビパワー」と呼ばれる特殊なギミックを内蔵していた点です。

 テレビパワーとは文字通りTVと連動したギミックのこと。劇中で南光太郎が変身するとベルトが激しい光を発するのですが、この光に反応して変身ベルトが自動で作動するのです。

『仮面ライダーBLACK』以前のライダーたちは、皆、スイッチを入れることでバックル部分が発光するギミックを備えていました。それ以外のギミックと言えば、『仮面ライダーBLACK』のちょうどひとつ前のTVシリーズである『仮面ライダー スーパー1』で、バックル部分のシェルターが左右にスライドする程度。

 しかも当時は「DX変身ベルト」のみならず、テレビパワーで自動的に変身ポーズをとるフィギュア「DX変身!仮面ライダーブラック」や、テレビパワーで自動的に走り出す「DXロードセクター(バイクのおもちゃ)」もあり、当時のキッズたちはおもちゃを介して番組に「参加」することができたのです。

 翌年放送された『仮面ライダーBLACK RX』ではテレビパワーギミックが外されてしまったものの、付属のブレスレットを振る(変身ポーズをとる)ことで自動的に作動する、新たな変身ベルトがリリースされていました。

『仮面ライダー』シリーズの変身ベルトおもちゃは、ちょうどあの頃からギミックが複雑化していったのです。

 なお「TVと連動させないと作動しないの?」というとそういうわけではありません。テレビパワーのおもちゃにはそれぞれTVの演出と同じ光を発する機能が備わっていたため、放送がない日でも、例えばベルトとフィギュア、フィギュアとバイクのように、組み合わせることでいつでもテレビパワーを楽しめました。

テレビパワーの元祖は?

2022年3月にリリースされた「仮面ライダーBLACK Blu-ray BOX」第1巻(東映ビデオ)

2022年3月にリリースされた「仮面ライダーBLACK Blu-ray BOX」第1巻(東映ビデオ)

 テレビパワーのおもちゃは『仮面ライダーBLACK』のほかに、1988年に放送された『じゃあまん探偵団 魔隣組』でも採用されていました。

『じゃあまん探偵団 魔隣組』とは『おもいっきり探偵団 覇悪怒組』に続く少年探偵団シリーズの第2弾で、原作は石ノ森章太郎。ニチアサ特撮シリーズの1本です。

 テレビパワーが採用されたのは、怪盗ジゴマを探知するというガジェット「ジゴマ探知機」でした。これは怪盗ジゴマ登場シーンで発せられる光の激しい点滅に反応するというもので、「DX変身ベルト」と仕組みも用途も同じです。

 もともとテレビパワーは、アメリカの特撮ヒーロー『キャプテンパワー』が元だと言われています。『キャプテンパワー』はアーマーをまとった未来戦士たちのことで、戦闘用サイボーグに支配された未来世界を救うために闘うチーム型ヒーローです。

 テレビパワーはその番組と連動したおもちゃで、発光演出に反応するフィギュアや戦闘機型の銃などが発売されていました。それをバンダイが国内に持ち込み、『仮面ライダーBLACK』に取り入れつつ吹替版『キャプテンパワー』も放送したのです。

 ちなみに『キャプテンパワー』の銃のオモチャはさらに独創的で、画面内の発光部分を撃つとポイントを獲得。敵の攻撃用の発光演出を感知するとダメージを受け、一定のダメージが蓄積されると戦闘機のコクピット部分からパイロットが飛び出す(緊急脱出する)というギミックが備わっていました。

 つまり当時は『仮面ライダーBLACK』『キャプテンパワー』『じゃあまん探偵団 魔隣組』からそれぞれ「テレビパワー」おもちゃが発売されており、キッズにしてみたら一時代を築いたシリーズのような印象を持たれていたのです。

(気賀沢昌志)

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