ウーバー配達員へ指示するコツを「注意書き」から読み解く

「注意書き」から垣間見える戦いの傷痕

▲梅雨のおかげで収入激減 イメージ:PIXTA

それにしても梅雨が明けませんね。心理的にも金銭的にも困っています。雨が降っている間は危険なので配達を行わず、たまの晴れ間には割がよくない本業の仕事が入る……今年の梅雨はそんな感じで過ごしていたのでウーバーイーツの配達収入は1ヶ月で4000円ほどという体たらく。

どうも、私、ライター兼ウーバーイーツの自転車配達員のWと申します。

収入が大幅に減ったので、持続化給付金の申請ができるかなと思い、調べてたところ「1ヶ月間の所得が、前の年の所得金額を12で割った金額の50%未満」という条件があることを知りました。

今月は配達の仕事が4000円。ライターの仕事もいつもの月より少なかったので、給付金がもらえるかなと思った矢先、某出版社から「すみません。払い込んでなかった3ヶ月分、まとめてお支払いします」と原稿料振り込みのメールが。おかげで今月の収入は、給付金の基準をわずかに上回る53%という結果に……。

▲注意書きのトーンで怒りのレベルが判断できます イメージ:PIXTA

毎度グチから入らないと文章すら書けなくなりつつある今日この頃、今回は「戦いの歴史が読み取れるメッセージ」のお話をしようと思います。

個人的な嗜好ですが、私は街で時折目にする「注意書き」を眺めるのが好きです。そう「犬のフンは飼い主が始末しましょう」というような、あれです。

この注意書きの中には、激戦の歴史を物語るようなものが、たまーにあります。例えば、犬のフンを注意するメッセージの場合「犬のフンを片付けろ!」とか「防犯カメラ設置中」という文言。こういうのをみると、文言を書いた人の堪忍袋の緒が切れた感じや、無視し続けるマナーの悪い飼い主像が容易に想像できて楽しいのです。

一方、われわれ配達員用のアプリには、お客さんやお店の人からの注意書きが表示されることがあります。ほとんどの人は記入することのない欄なのですが、例えば深夜のオフィスへ届ける場合「建物の裏側に警備室があるので、そこで入館手続きをして入ってきてください」といった指示が書かれていたり「ドアの前に商品を置き、インターホンを鳴らしたら帰っていただいて大丈夫です」といった指示が、事細かに書かれていることがあるのです。

「注意書きウオッチャー」を自称する私としましては、大変興味を惹かれて注意深くチェックしているのですが……。

「インターホンの“真下”に置いてください」という指示

▲これがインターホンの真下 イメージ:PIXTA

5月のある日、ランチタイムにとあるマンションまで運んだときのことです。「インターホンの“真下”に置いてください」という指示に違和感を覚えました。

新型コロナウイルス感染拡大により、この春から新しく始まった、玄関の前に商品を置く「置き配サービス」。利用者がこのサービスを選択すると、配達員のアプリには「玄関先に置く」という指示が表示されるのです。なので、これを見たときは「なぜ、わざわざ注意書きでも指示するのか」と首を傾げたのですが、お客さんの家まで行くと納得しました。

まぁよくよく考えたら分かることなのですが、日本の住宅の玄関のほとんどが外へ向けて開く「外開き」のドアですよね。おそらく「玄関の前に置く」という表示を見て、その指示通りに配達員がドアの前に置いたため、商品を取ろうと扉を開けたらスープがこぼれた、ドリンクがこぼれた。そんなトラブルがあったのでしょうね。

確かに、指示されたインターホンの真下におけば、ドアを大きく開いても絶対に当たらない位置。そんな理由から、わざわざ「インターホンの真下に」なんて指示を出したに違いありません。独り納得し、ほくそ笑んでしまいました。

「ドアにぶつからないように置くのが当たり前」というご指摘もあるでしょうが、配達員は、スマホで配達員用アプリをダウンロードするだけで誰でも始められる仕事。サービス業経験者なら当然気にすべきことにも、気が回らない人が多いのだと思います。

▲建物の入り口に起き配するツワモノも イメージ:PIXTA

その数日後の夜、表示されて思わず笑ってしまったのが「マンションの入口でインターホンを鳴らして建物に入ってください。そのあと8階の部屋の前に来て、インターホンの真下あたりに商品を置いてください」という注意書きです。

「インターホンの真下に置いてください」というメッセージの理由は、先ほどの経験から理解できます。しかし「インターホンを鳴らして建物に入ってください」という指示の理由はどうでしょう?

これはマンションの1階、そう、建物の入口にあるインターホンの下に料理を置いて帰った、ツワモノ配達員がいたことを示しているに違いありません。普通だったら起こるはずがないアクシデントが起こるのが、ウーバーイーツの配達なんですよ(苦笑)。

さらにこの日の深夜に表示されたのが「407号室のドアを正面に見て、左側が406号室です」という謎の注意書き。港区にあるオシャレなマンションに向かい、エレベーターで4階に上がると、各部屋の扉のところに部屋番号が書いてあります。ところが、その数字のフォントがオシャレというか、個性的というか……筆記体のような数字が非常に読みづらく、特に6と8の見分けがつきません。配達員が何度も間違えたので、このような注意書きを書いているのだと納得しました。

ちなみに、ウーバーイーツの配達員は外国籍のドライバーも多いため、注意書きはなるべくシンプルな日本語で指示するのがオススメ。自動翻訳機能で変換されるので「1階に100均が入ったビル」といった、外国人に伝わりづらそうな略語を使うと配達に時間がかかる可能性があります。

書いた文章を一度英語に変換、その英語をさらに日本語に変換したものを見て意味が通じるレベルの文章なら、すべての配達員に問題なく伝わると思いますので、一度試してみてください。

〈Uber Eats配達員W〉

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