三世代で楽しめる小田原で大人気の「寿司ビストロ」。元旅行代理店の筆者が推すその魅力とは?

3世代での食事におすすめ。寿司ビストロ「あじわい回転寿司 禅」(撮影:著者)
元旅行代理店勤務の筆者が、家族3世代旅行での食事におススメのレストランを紹介。今回は、人気の観光地・箱根湯本から、車で20分ほどの小田原に店を構える、寿司ビストロ「あじわい回転寿司 禅」を取材しました。オーナーの西尾明さんに聞いた、おすすめのメニューやお店のことについてご紹介します。

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【写真】1貫から頼める和牛ステーキ寿司

食事選びのポイントはココ

現在28歳の筆者自身も、箱根や熱海・伊豆方面への旅行で、80代の祖母・母・叔母と共に何度も訪れている「あじわい回転寿司 禅」。

子どもから大人まで、3世代での食事におすすめできるポイントは、以下の5つです。

・寿司はもちろんビストロメニューも豊富でそれぞれ食べたいものを選べる
・コースではなく1品ずつの注文なので、量の調節がしやすい
・当日の体調や好みに合わせて、メニューの相談ができる
・カウンター席だけでなく、ゆったり座れるテーブル席もある
・EPARKで事前に順番待ちができるため、長時間並ばない

「あじわい回転寿司 禅」のオーナー・西尾明さんに話を伺うと、「3世代のお客さんや、小さなお子さんを連れたお客さんもよくいらっしゃいますよ。美味しく楽しく食事がしたいという皆さんに、安心して来て欲しいです」とのこと。

続いて、おすすめのメニューをピックアップしてご紹介します。

前菜1品・メイン1品とお寿司から

初めて訪れるお店では、何をどう頼めばいいのか迷いますよね。

店内の寿司メニュー板を中心に、両サイドのビストロメニューを見ながら注文します。

壁一面にメニューがずらり。テーブル席は4席あり、6人ほどが座れる広さだ(撮影・著者)

メニュー選びに迷ったときには、気軽に店員さんに相談できる雰囲気も安心。料理の詳細や、好みに合わせたメニューを教えてくれます。

「例えば女性3人なら、前菜1品、メイン1品をみんなでシェアしながら、好きなお寿司をそれぞれ頼んでいくのがおすすめ。物足りなければ、メインの料理を1品ずつ追加していくのがいいと思います」と、西尾さんからアドバイス。

今回はさらに西尾さんと相談しながら、「3世代での食事でも間違いなし!おすすめのメニュー」5品を選びました。

おすすめメニュー5品

・季節限定メニュー ホワイトアスパラ温玉添え 1,800円

フランスロワール産のホワイトアスパラに、小田原の農家グリーンバスケットジャパンのマイクロリーフを合わせた一皿。食感が楽しく、彩も華やかです。

野菜のメニューが選べるところも嬉しい(撮影:著者)

・マグロのテールステーキ 900円

はほろほろとほどける食感の人気メニューです。

売切れの場合あり。お早めに注文を(写真提供:店舗)

・アワビステーキ 1,800円 

すでに切り分けてあり、取り分けがしやすいメニューです。

柔らかな実に肝のうまみがたっぷりのソースがからみます。案外さっぱりと食べられるため、こちらも人気の一品です。

取り分けしやすいが、美味しいので、一人一皿頼むお客さんも少なくないんだとか(撮影:著者)

・パン付 ホタテのソテー 900円

ぷりぷりの食感。たっぷりのバジルソースが美味しく、セットのパンに浸して余すことなくいただけます。

(撮影:著者)

・和牛ステーキ寿司 1貫750円

お店の名物は和牛の上にフォアグラがのったロッシーニ寿司ですが、もう少し軽く食べたい場合にはこちらがおすすめ。

お寿司は好みに応じて本日のおすすめや食べ方を提案してもらえます。

手前右から時計回りに、のどぐろ(炙り)1,300円、太刀魚(炙り)680円、おしつけ840円、金目鯛780円(撮影:著者)

「おしつけ」はアブラボウズの別名で小田原の海で取れる地元の魚。白身のトロですがくどくなく、ぷりぷりとした食感で意外にもあっさりしています。漁師さんが釣ってもさばくのが面倒で、山に住んでいる人に「押し付けた」ことが名前の由来なんだそう。

何でも相談OKの安心感

「注文の際、量や味が分からなくて不安な時は、何でも相談してくださいね」と西尾さん。

実際に、量を減らしてほしい、味を薄めにしてほしい、あらかじめ切り分けて出してほしい等、お客さんからのリクエストは様々だそう。

「提供の都合上、どうしても厳しい場合や時間がかかってしまうこともありますが、可能な限りはすべて対応したいんです。お客さんに美味しく楽しく食事してもらいたい、これが一番ですから。相談されたときにしっかりお応えできるよう、そのための知識や技術は常に磨いています」

いつも抱えていた、車で訪れる際にお酒を楽しめない悩みを相談してみると…

「ノンアルコールドリンクも、もちろん仕入れています。ワインボトルに入ったこだわりのお茶、『ロイヤルブルーティー』。『アランミリア』という料理に合うブドウジュースもあります。ミシュランに掲載されるお店でも取り扱っているもので、料理に合わせてペアリングできますよ」

ロイヤルブルーティー(写真提供:店舗)

「予算は、ドリンク1杯とお食事なら一人5,000円程。お酒もしっかり飲みながらお食事の場合には一人10,000円です。最近では、お寿司を食べずにお酒とビストロメニューのみ、というお客さんも一日2組ほどいらっしゃいますよ。もちろんお寿司だけでもOK。気分に合わせて、料理も飲み物も好きなものを楽しんでください」

遠方からはEPARKで事前受付を

人気のお店でも、長時間待つのは出来るだけ避けたいもの。禅では、EPARKというシステムで順番待ちを受け付けています。1時間前くらいに一度待ち状況を確認してみてください。混みあっているようであれば、お店に到着する前に遠隔で順番待ちを開始することができます。

あじわい回転寿司 禅 事前順番待ちシステム EPRAK
https://epark.jp/shopinfo/jsp607151/

入店しやすい時間帯を聞いてみると、「お昼であれば、開店直後の11時~12時ごろが実は空いています。逆に、15~16時ごろに混みあう場合が多いです。夜でしたら17時ごろがねらい目ですね。比較的空いていて、お酒を飲む場合にはタクシーも利用しやすい時間です」と、西尾さん。

最近の小田原では、夜遅くなるとタクシーがつかまりにくくなっているそう。タクシー配車アプリなどを事前にダウンロードしておき、活用しましょう。

車で訪れる際は、西湘バイパスの小田原出口を出てすぐ。右手にすぐ見える看板が目印です。

バスの場合には小田原駅から国府津駅行きのバスに乗り、山王停留所で下車。東町2丁目交差点で道路を渡ったらそのまままっすぐ小道へ入ってください。突き当りを右折し、ゴルフ練習場沿いに進むと禅の駐車場に出ます。バスを降りた後、山王橋交差点まで行ってしまうと、店舗まで車道沿いを歩くことになるので、注意が必要です。

極真空手から寿司ビストロオーナーへ

元々は極真空手の指導員だった西尾さん。飲食の世界に飛び込むことに決めたのは、道場生と食事をしているときだったそうです。

「居酒屋で食事をしながらいろいろなことを語り合っているうちに、ふと、飲食店は道場と同じように人間形成の場だなと感じたんです。空手は神聖なものだと思っていましたから、僕にとってはお金を稼ぐ手段ではなかった。そこで、共通点を見つけた飲食店で生計を立てようと。道着を脱いで飲食業に飛び込むことにしました」

飲食業への道を決めてからは、活動の拠点として、まずは海外へ。

「空手に世界大会があるように、世界から日本を見てみたいと、ワーキングホリデーでカナダに行くことにしたんです。出発までの半年間、回転寿司店で働きました。寿司は海外でも人気ですから、就労ビザも取りやすいと思って。短い修行期間だったので、実際にカナダの寿司店では苦労しましたけれど、空手がコミュニケーションのきっかけとなってね。休み時間に空手をみんなに教えて、彼らからは料理を習って。また別のお店に移ってからは、寿司だけでなく和食・フレンチも学びましたよ」

結婚を機に日本に帰ってきてからは、回転寿司店に就職。

「日本で働き始めて数年して、小田原店の店長を任されました。ところが近くに大手チェーンの回転寿司店がオープンすることになったんです。まいったな、どうしようかと頭をひねりましてね。日本ソムリエ協会の田崎真也さんが世界大会で優勝した年でしたから『そうだ、回転寿司だけれどワインを出してみよう』とグラス売りを始めました。

だけど、当時ワインはまだ売れなかったんです。抜栓してしまうと、長期間保存しておけずにダメになってしまうし。それでビールへ路線変更し、瓶のベルギービールを300種仕入れました。栓を開けなければ何十年と日保ちするものも多くて。そうすると、寿司とベルギービールの飲める店だと話題になり、『大人の遠足』として全国から沢山のお客さんが来てくれたんです。

そのうち、ビールに合うつまみのメニューが欲しいという声を多くいただき、カナダで習ったフレンチでメインの料理を出すようになった。すると今度はワインを飲みたいとリクエストが増え、各種取りそろえていきました」

2009年の7月に独立をして、「あじわい回転寿司 禅」のオーナーになった西尾さん。「寿司ビストロ」としてお客さんからの要望に応えるうちに、さらにメニューやお酒の種類が増え、進化を続けています。

「オープン当時は煮込みが多かったビストロメニューですが、短い時間で提供できる方法を試行錯誤したことで焼き物のメニューも増えています。これからも、お客さんの『こんな一皿が食べたい』に応えていきたいですね」

家族に応援してもらってこそ

「両親には、ワーキングホリデーに行くときも、経営を始めるときにも応援してもらいました。やりたいことを反対されず、なんでもチャレンジさせてもらったので感謝しています。いまは隣に住んでいて、毎朝家に行って顔を見てから出勤していますよ」

お店の経営には、妻の力添えも。

「お店のデザートメニューには、妻が携わっています。小田原店だけでなく鎌倉店ができてからは経理の仕事が忙しく、かかりっきりになっていますが…。一緒に経営を支えてくれています」

「大切な家族や友人との食事はもともと楽しいものですから。その楽しい雰囲気にちょっとだけ手を添えて食事をより美味しくする手助けができるなら、こんなに嬉しいことはない。そういう気持ちでお店をやっています。だから、美味しく楽しく食事がしたいとき、是非選んで来ていただけたら嬉しいですね。いつでもお待ちしております」

いつ訪れても、お客さんの楽しい会話や、店員さん達の温かく活気ある接客、そして料理のいい匂いにあふれる店内。とことんお客さんに寄り添って続いてきた「寿司ビストロ あじわい回転寿司 禅」は、3世代での食事にぴったりなことはもちろん、様々なシーンでも食事が楽しめること間違いなしです。

※本稿は2024年4月時点の情報です。

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