片づけのコツとは「使いづらい!」を解消することだった…お片づけ習慣化コンサルタントが教える<散らからない部屋のつくり方>
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「使いづらさ」を放置せず、「とりあえず」の方向転換を
ここ数年続いたコロナ禍により、「家で過ごす時間」が増えた、という方が多いのではないでしょうか。
長時間過ごしているうちに、今までは気づかなかった「使いづらさ」に気づいたことはありませんか?
例えば、キッチンで、サッとタッパーを取り出せますか? ラップは、すぐ取り出せる場所にありますか? 毎日使うお皿やコップなども同様です。
これはキッチンだけに限りません。
リビングや寝室、洗面所などでも同様で、使いやすさという点で見たとき、必要なモノをすぐ取り出せて、かつすぐ戻せる場所にあるのかはとても重要なことなんです。
面倒くさいがなくなる仕組み
実はその「使いづらさ」は今に始まったことではないのかもしれません。
小さな問題だから、いいや。自分がちょっと我慢すればいいから、いいや。
そんなふうに考えて、使いづらさを放置していませんでしたか?
ちょっとの我慢も積み重なれば、大きなストレスになります。
結局、使いづらさを放置することは、自分に試練を与えているのと同じこと。苦しいですよね。
大事なのは、できるだけ手間を減らして、「面倒くさいがなくなる仕組み」をつくっていくこと。
「どうやったら楽になるか?」から考える
では、「面倒くさいがなくなる仕組み」は、どのように作ればよいのでしょう。
片づけの前提として、具体的なイメージを描くことが大切です。
「なりたい自分」を考えるには、「何が嫌?」「どんな自分が嫌?」と問いかけることが必要です。
仕組み作りも同じステップで考えてみましょう。
「この家で、私が嫌だと思っていることは何だろう?」
そういう目で周囲を見渡すことから始めてください。
例えば、女性がよく使う場所としてキッチンを例に挙げて考えてみましょう。よく使う場所だからこそ、本来ならノーストレスで過ごしたいですよね。
でも意外と、「これ、なんでここに入っているんだっけ?」というモノが見つかることがあります。
アクション数
ある方がキッチンで嫌だと感じていたのは、ストックバッグの収納場所でした。
ストックバッグは、食品を分類して収納したり、小分けしたりするのはもちろん、調理にも使えるので、そのお宅では非常に登場回数が多いとのことでした。
それなのに、そのお宅では、なぜかストックバッグが、踏み台を持って来なければ取れないような、キッチンの吊戸棚の一番上にある平たいスペースに入っていたのです。
「なぜその場所に入れておくのか」と聞いたところ、ストックバッグを並べて収納しておくのに、その平たい場所がストックバッグの箱にピッタリだったから、との答えでした。
でも考えてみてください。登場回数が多いストックバッグが吊戸棚の一番上に入っていたらどうなるか。
踏み台を持ってくる、踏み台に乗って吊戸棚を開ける、ストックバッグを引き出して取って戸棚を閉める。
作業をしたら、また踏み台に乗って、戸棚を開けて、ストックバッグを戻して、戸棚を閉めて、踏み台を降りて、踏み台をしまう……。
ストックバッグを使って、片づけるまでに、一体、何工程かけているのでしょう。ストックバッグを使うたびに、その工程を繰り返さなければならないとしたら、実はとても労力がかかっていますよね。
モノを取り出したり、戻したり、つまり「モノを出し入れするのに必要な動き」を「アクション数」と呼んでいます。だからこそ、アクション数を考えてみてほしいのです。
もしも仕組みを変えてうまくいったら、とても快適になると思いませんか?
一度、仕組みを変えてしまえば、「ああ、使いづらい!」とモヤモヤしながら家事をしなくて済むようになります。
仮に10分、15分かかったとしても、1カ月単位で見たら、すぐに取り戻せると思いませんか。
モノを「取り出し&戻す」ときのアクション数を減らそう
※本稿は、『部屋がゴチャゴチャで、毎日ヘトヘトなんですが、二度と散らからない片づけのコツ、教えてください!』(すばる舎)の一部を再編集したものです。
03/29 06:30
婦人公論.jp