痴漢被害から10年後、警察から突然の連絡 やるせない実体験漫画が反響「心の傷…」

漫画のワンシーン【画像提供:人間まお(ningenmao)さん】

漫画のワンシーン【画像提供:人間まお(ningenmao)さん】

 少しでも犯罪被害の防止につながれば――。そんな想いを込めて、ある漫画をご紹介します。それは10年前、暗い夜道を歩いていた際に痴漢に遭遇した女性の実体験をまとめたもの。危うく難を逃れて警察へ通報した彼女に、その後一体何が起きたのでしょうか。重いテーマながらもコミカルに描かれた漫画は大きな反響を呼んでいます。作者の人間まお(ningenmao)さんに話を伺いました。

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もしも自分ならどうする? と真剣に考えさせられる

 週2で看護師のアルバイトをしている、人間まおさん。看護師の体験を生かして漫画「オペ看」(講談社刊)の原作者を務めるなど、幅広く活動しています。インスタグラムやブログで人間まおさんが描くのは主に、自身や人から聞いた恋愛エピソードの他、日常で起きたさまざまな出来事。ちなみに、日常漫画の登場人物である人間まおさんのお父様も「<人生終盤男から若者への伝言>」という、恋愛指南ブログを書いているそう。

 人間まおさんの漫画は、思わず吹き出してしまうほどユニークなものが多いのですが……。読み終えた後でふと、「自分が当事者ならどうするだろう?」と考えさせられるテーマもあります。

 ここで紹介する「10年間保管されたパンツの話」もその1つ。軽やかなタッチでスラスラ読めるものの、その状況を想像するとゾッとせずにはいられません。漫画には痴漢に遭った時の状況や警察の捜査を目の当たりにした時の様子、そして捜査が打ち切りになった時の気持ちが描かれています。

 ブログのコメント欄にも、「逃げられて良かったけど、心の傷……」「犯人が許せない」「しんどさの極み」「無事で良かった」など、恐怖を覚えた女性たちから、たくさんの声が寄せられました。

「読者にも痴漢に遭った人がたくさんいて、怖くなった」

 漫画を描いた人間まおさんに、作品についてのお話を伺いました。

Q.この漫画を描いたきっかけを教えてください。
「なかなかない体験だと思ったので、他の人に伝えたかったからです」

Q.お友達から話を聞いて感じたことは?
「警察に届けを出した後のことを初めて知り『そんな流れになるんだ』と驚きました。それとともに、パンツを10年も保管されるのなんて嫌だし、お気に入りの高いパンツだったら……と思うとやるせない気持ちに。犯人のことは心から許せませんが、パンツ代くらい払ってもらいたいなと思いました」

Q.夜道で襲われるとは本当に恐ろしい体験かと思います。お友達は当時を振り返って、どんなことを言っていましたか?
「次、もし遭遇したら『絶対に捕まえてやる』と言っていました。たぶん彼女なら、意地でも捕まえると思います」

Q.読者からのコメントを読んでの感想は?
「痴漢に遭ったことがある人がたくさんいて、怖くなりました」

 
 人間まおさんのお友達は犯人の攻撃に激しく応酬し、気丈にも「次は絶対に捕まえる」と言っています。けれど、そんな彼女も犯人が逃げた後で、「怖かった……」と震えているのです。きっとその心の傷が癒えるまでは、長い時間を要したことでしょう。

 また、長い時を経て記憶が薄れていたとしても、警察から連絡があったことで当時の恥ずかしさや悲しい気持ちを再び思い出さなかえればならなかったのです。このように、被害者を深く傷付ける性犯罪は絶対に許されません。

 最後に……。警視庁のホームページ内の「性犯罪から身を守る」には、こうした犯罪から身を守るための防犯対策が掲載されています。性犯罪の発生しやすい時間帯や場所、防犯ブザーを手に持ってすぐ使えるようにしておく、多少遠回りでも夜は明るい道を歩くなどといった具体的な方法も示されています。こうした情報を一度確認しておくことも、いざという時の助けになるかもしれません。

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