犬・猫の噛み癖「かまってほしい」だけが理由じゃない 飼い主側の対策は多くが逆効果!?

飼い主が抱える悩みの1つ、ペットの「噛み癖」について知る(写真はイメージ)【写真:写真AC】

飼い主が抱える悩みの1つ、ペットの「噛み癖」について知る(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 何かと息苦しいコロナ禍での生活、癒やしをペットに求めている人も多いでしょう。とはいえ、犬や猫を飼っている人からは、日頃の“噛み癖”に悩んでいるとの声を聞くことも。ペットはなぜ噛むのか? 飼い主ができる有効な対策は? 民間企業による調査の結果と、日本獣医動物行動研究会の獣医行動診療科認定医、奥田順之先生のコメントを併せて見てみましょう。

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噛み癖が多いのは犬・猫ともに1歳未満

 ペットメディカルサポート株式会社は2021年2月、同社が提供するペット保険「PS保険」を前年12月保障開始で契約した393人を対象にペット(犬・猫)の噛み癖についての調査を実施しました。なお、同保険の新規加入年齢は、保障開始時点で生後30日以上、8歳11か月までのため、調査対象者が飼っているペットの年齢もその範囲になります。

 まずは「ペットの噛み癖に悩んでいますか」と尋ねる設問から見てみましょう。

【ペットの噛み癖に悩んでいますか?】※数字は「犬を飼っている人:猫を飼っている人」
「非常に悩んでいる」「どちらかといえば悩んでいる」32%:34%
「どちらとも言えない」7%:13%
「どちらかといえば悩んでいない」「悩んでいない」62%:53%

「非常に悩んでいる・どちらかと言えば悩んでいる」と回答した人のペットを年齢別に見てみると、1歳未満が犬で66%、猫で60%とともに6割以上を占めました。

 回答者全体におけるペットの年齢分布に1歳未満が多いこと(犬39%、猫52%)も関係していると思われますが、奥田先生によると、子犬や子猫は遊びの誘いや関心を引く目的、またはブラッシングや触られることが苦手なために噛むことがあるそうです。

「子犬・子猫の時期に、『噛んだらもっと遊んでもらえる、関心を引ける』あるいは『噛めば、ブラッシングのような嫌なことから逃れられる』と覚えてしまうと、成長しても噛む行動が残ることがあります。そのため、頻繁に噛む行動が見られる場合は、1歳までに噛んではいけないとしっかり教えていくことが大切です」(奥田先生)

 ペットの噛み癖の原因として考えられるものを尋ねる設問では、「遊びの延長」(犬27%、猫37%)が最も多く、次いで「かまってほしい」(犬27%、猫28%)、「甘噛み」(犬18%、猫14%)と続きました。

 奥田先生によると、年齢が上がっても噛む主な原因は「不安や恐怖、縄張り意識、やめてほしいといった嫌なことを避けるための攻撃」だそう。噛み付くのかをうまく見極めないと早期の対応もできなくなり、噛み付きが悪化してしまうことがあるそうです。

噛み癖対策の上位は多くが逆効果!?

 ペットの噛み癖についての相談相手を尋ねる設問を見ると、犬を飼っている人の1位は「家族」(38%)、2位は「インターネットの書き込みサイト」(21%)でした。猫を飼っている人の1位は「インターネットの書き込みサイト」(33%)、2位は「家族」(28%)です。

 犬の場合はしつけやトレーニングを行う教室の認知度が高いこともあり、相談相手として「トレーナー」(11%)という回答も多く見られました。一方で猫の場合は2%にとどまっています。また、噛み癖対策のランキングは以下となっています。

【ペットの噛み癖対策:犬】
1位「おもちゃを与える」(25%)
2位「無視する」(23%)
3位「大きな声を出す」(18%)
4位「ストレスを発散させる」(13%)

【ペットの噛み癖対策:猫】
1位「おもちゃを与える」(34%)
2位「大きな声を出す」(19%)
3位「ストレスを発散させる」(15%)
4位「無視する」(12%)

 奥田先生によると、1位の「おもちゃを与える」はその場の噛み付きは収まっても、噛めば遊んでもらえると学習し、逆に噛む行動を増やすそうです。

 また、「無視する」も、反応があるまで徐々に強く噛むようになり、そこで「痛い」と反応すれば「強く噛めば関心を引ける」と学習してしまうのだとか。「大きな声を出す」も余計に興奮するか、怖がってしまう子もいるそうです。

「噛まれている原因に目を向け、そもそも噛ませないことが大切です。それにはしっかり遊んであげたり、散歩に行ったりして、十分に欲求を満たしてあげてください。あまりに興奮性が高い場合は、ケージから出す際にリードを付けるといった対応も必要でしょう」(奥田先生)

 当然ながら、ペットたちは人間の言葉を話しません。噛むことをコミュニケーションの手段にしているケースも多いでしょう。噛まなくてもコミュニケーションが取れるように、飼い主側にはいろいろと考えるべきことがあるようです。

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