マスクによる肌荒れの要因は5つ 皮膚科専門医が教えるwithコロナ時代の注意点

皮膚科専門医の田中敬子先生【写真提供:田中敬子】

皮膚科専門医の田中敬子先生【写真提供:田中敬子】

 今や外出時に必須のマスク。長引くマスク生活や手指の頻繁な消毒で肌荒れに悩む人も増えています。また、新型コロナウイルスには意外と知られていない皮膚症状もあるのだとか。皮膚科専門医の田中敬子先生に、withコロナ時代のお肌との付き合い方について伺いました。

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生活様式の変化に伴いお肌のトラブルも多様化

 外出時にマスクが欠かせなくなってはや1年。生活様式の変化に伴い、お肌のトラブルも多様化していますが、意外と知られていないのが新型コロナ感染による皮膚症状です。スペインの医師が実施した大規模調査の報告(参考文献は下記参照)によると、紅斑丘疹型皮疹と呼ばれる麻疹様の赤い斑点が出る症状は皮膚症状の47%、蕁麻疹状の発疹は19%、水疱を伴う丘疹水疱性皮疹は9%が報告されています。

「これらは新型コロナに限らず出てくる症状なので、発疹が出たからといってすぐに新型コロナを疑うようなものではありません。新型コロナの診断に役立つ症状では、有痛性肢端赤紫色丘疹と呼ばれる軽症者や若者に多く報告されている、しもやけのような手足の腫れがあります(19%)。注意すべきは網状皮斑といわれる赤色や紫色の網目模様の発疹や壊死症状。これらは6%の報告があり高齢者や重症者に見られがちで、死亡率も10%近くになります」

 新型コロナ感染予防策としてマスクは必須アイテムですが、気になるのがマスクによる肌荒れ。先生によれば、マスクが肌荒れを起こす要因は何と5つもあるそうです。

1.摩擦
「マスクの繊維で皮膚がこすれることで皮膚のバリア機能が低下し、赤みやかゆみといった症状が出ます」

2.刺激
「摩擦とは別に、繊維自体の刺激によるかぶれ、湿疹もあります」

3.マスク内の蒸れ
「呼気で高温多湿な環境は雑菌が繁殖しやすく、ニキビの原因にもなります」

4.乾燥
「蒸れと相反するようですが、マスクを取ると一気にこもっていた湿気が蒸発し、肌の水分も一緒に持っていってしまう。お風呂上がりに保湿をしないと乾燥しやすい状況と同じですね」

5.雑菌
「マスク自体にも雑菌が繁殖しやすいので、1回ごとに使い捨てることが理想です」

 感染予防効果が高いとされる不織布マスクは、綿や布マスクに比べて肌への刺激が強いとのこと。さらにショッキングなことに、マスクによる摩擦で肝斑というシミは悪くなるそうです。少しでも肌荒れを防ぐためにはどんな工夫があるのでしょうか。

「サイズの合ったマスクを着けることで、摩擦はある程度防げます。それから、マスクや在宅ワークで化粧をする機会が減っても、洗顔や化粧水、乳液などの基礎化粧で毎日しっかり保湿すること。汗をこまめにふき取ることも大事です。消毒による手荒れにも保湿剤が効果的。アルコールで手を消毒したらそのまま保湿剤を塗るよう心がけましょう」

 一方で、マスク生活の今だからこそ、お肌に関するレーザー治療を希望する人が急増しているとそうです。

「レーザーでシミ取りをすると一定期間にかさぶたや赤みができるダウンタイムがありますが、『マスクで隠れるから』とこの機会に治療する方は増えていますね。また、外に出る機会が少ないので日焼けが少なく、炎症後色素沈着や色素脱失といったレーザーの副作用が出にくいという意味でも今はチャンスといえます。最近は感染を恐れて、かなり症状が悪化してから皮膚科を訪れる方も多い。そうなると治療も大変なので、こまめに受診することが肝心です」

 新型コロナ予防のためにもマスク着用は徹底しつつ、肌のトラブルは根気よく治療していくことが大切ですね。

参考文献:Galvan Casas C, et al. Classification of the cutaneous manifestations of COVID-19:a rapid prospective nationwide consensus study in Spain with 375 cases.

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