職場に迷惑をかけたくない! 出産ギリギリまで働くことを選んだ女性たち 職場・夫の反応は

産休・育休に頼りたいけど……キャリアや周囲の目が気がかりな女性も(写真はイメージ)【写真:写真AC】

産休・育休に頼りたいけど……キャリアや周囲の目が気がかりな女性も(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 共働き世帯が増加し続けている現在、子どもを授かった後の働き方やキャリアに対する悩みを抱えている女性は多いようです。また、長く職場を離れることになる産休・育休をめぐり、周囲の目を気にする人も。今回は、出産前後も職場へ迷惑をかけられないと強く感じたという2人の女性に話を聞きました。

 ◇ ◇ ◇

人員はギリギリ 出産後すぐに職場復帰を決意

 祐美子さん(仮名・38歳)は、10歳になる女の子を育てながら中小企業で働く兼業ママ。出産予定日のギリギリまで働き、出産後も最低限の休暇期間で職場に復帰した、驚きの経歴を持っています。

「育休を取得することも考えましたが、職場がギリギリの人数で回っていることや経済的事情もあり、『できるところまで頑張ってみよう。やれるところまで働いてみよう』と、ギリギリまで働くことを決めました」

 大学卒業後、IT系の企業で事務職に就き、やりがいのある仕事を求めて現在の会社に転職。2年後に子どもを授かり、妊娠中から時短勤務中はできるだけデスクワーク中心になるよう、仕事のスケジュールを組んでもらいました。

「10年も前のことなので、やはり今とはまったく雰囲気が違いましたね。同僚からしてみれば他人事ですし、会社からしたら代わりの人材を雇う余裕もないし、周囲へのフォローは自分でどうにかしろって感じでした。今では女性の意識は変化してきたように感じますが、未だに男性の育休なんて夢のまた夢ですね」

 時短勤務中も自宅に仕事を持ち帰り、子どもが寝ている隙に仕事をするなど、自分自身の体調は二の次。出産前と同じ仕事量をキープしようと必死だったといいます。

 そんな祐美子さんを隣で見ていたご主人からは「そこまでして仕事を続ける意味あるの?」と言われてしまったことも。「私が働きたいの! だから心配しないで!」と、心配する気持ちをないがしろにしてしまい申し訳なかったと振り返ります。

「私自身は、育休を取らないことが“当たり前”とは思っていません。もう1人産みたかったけれど、さすがに子ども2人を抱えて同じ働き方をするのは無理なので諦めました。だから、後輩たちが出産を控えている場合は、むしろなるべく手を差し伸べてあげたいと考えていますね」

同僚からの視線がつらい 復帰後に退職を悩む日々

 由佳里さん(仮名・35歳)は、小さな広告代理店に勤める兼業ママ。昨年の春に第2子を出産。今年の春に職場復帰しましたが、同僚との間にできてしまった「溝」に悩んでいます。

「妊娠が分かった時、私が主導で動いていたプロジェクトが進行中でした。第2子なので楽観視していたのですが、第1子の時よりもつわりがひどく、一番つらかった時には毎日午前中に病院へ行ってから出勤していたんです」

 安定期に入ってもつわりが治まらず、上司の判断でプロジェクトリーダーを降り、休むように促されました。正直、限界に近い状態だったため、悔しさはありながらも、どこかホッとしたといいます。慌てて引き継ぎ用の資料を作り、休職することになりました。

「自分なりに頑張ったつもりだったんですけど、プロジェクトを途中で放棄する結果になってしまった事実は覆せないんですよね。休職する際に、チームの人たちに謝罪したのですが、育休から復帰した今も、同僚からの視線が冷たいのは気のせいではないと思います」

 挽回するべく、復帰後は仕事に打ち込みたいと思っていた由佳里さん。しかし、このコロナ禍で在宅ワークとなり、以前のような仕事は回ってこず、居心地の悪い日々を過ごしているそう。また、保育園が一時休園となった時には、急に休んだり、子どもの世話をしながらで仕事が進まなかったりと、周囲にさまざまな迷惑をかけてしまいました。

「こんなに謝ってばかりいると、『私が悪いわけじゃないのに!』って卑屈な気持ちになってしまいますね。このままつらい思いをするくらいなら、いっそ仕事を辞めてしまおうかと悩んでいるところです」

 2人に共通しているのは、一緒に働く同僚たちへ“迷惑”をかけてはいけないと、強く感じていること。しかし、必要以上に無理をして、1人で背負いすぎることはありません。介護や病気などで、いつ仕事に支障をきたすか分からないのが現代社会。互いに思いやりを持ち、時には一致団結して会社にかけ合うなど全員で取り組み、誰もが働きやすい職場環境を作っていきたいものです。

ジャンルで探す