50周年「人生ゲーム」で描かれた未来予想図とは…2053年に日本の人口が1億人割れ

「未来ステージ」のマス目下に描かれた夢見る子どもたちのイラスト。昭和の画風が意識されている

 アポロ11号が月面着陸した1960年代末から超能力ブームに沸いた70年代前半、つまり昭和40年代の子どもたちが読んだ雑誌は「夢の近未来」であふれていた。車が空を飛び、火星に移住する…。今では信じられない世界が来ると思っていた。そんな“昭和元禄”に生まれた国民的ボードゲーム「人生ゲーム」が50周年の節目を迎えた。新発売の記念盤では半世紀後の“未来予想図”が描かれている。リアルさも含んだ文言を紹介しよう。
 5月に都内で開催された「日本おもちゃ大賞2018 第3次審査会」に出品された玩具の中、中高年世代の興味を引いたのが「人生ゲーム タイムスリップ」だった。日本で68年に発売された初代は米国盤の翻訳で、マス目には「石油が出た」「ウラニウム鉱山を掘った」といった文章が並んだ。筆者は「隣のヤギに蘭を食べられた」というシュールな一文が記憶に残る。83年の3代目からオリジナル日本盤となり、世相も盛り込まれた。
 今回は「未来ステージ」として2019〜2068年の“予想”が展開されている。その一部を列挙する。
 「2035年 有人月面基地が完成」「2044年 全てのコンビニから店員が消える」「2048年 100Kテレビが登場、ほどんど現実を体感」「2053年 日本の人口が1億人を割って税金が上がる」「2054年 完成した宇宙エレベーターに乗る」
 開発したタカラトミーのスタッフが考案した。手動でルーレットを回し、スゴロク式で進んだマス目に書かれた指示に従って、金(ドル)を払ったり、もうけたり、一喜一憂する−。そんなアナログなスタイルを踏襲しながら未来への想像力をかき立てる。「宇宙エレベーター」は昭和の子どもが夢見た世界に通じ、「人口が1億人を割る」は少子高齢化が進む現在の日本にあってリアルに響く。
 一方で「過去50年」として、発売から今までの世相や時事ネタが盛り込まれている。
 例えば、70年代コースでは「8時にTVの前に集合して夜更かし」「レストランのスプーンを曲げてしまう」「ヒット曲を聴いて、たい焼きを海へリリース」。80年代コースでは「学ランを着た猫になめられた」「ナウなハマトラで元町デート」。90年代コースでは「お立ち台の扇子で競り勝つ」「双子のおばあちゃんを見習って健康生活」「同情したら金を要求された」。
 元ネタの具体名が書かれていないので、当時を知る大人は子どもたちにウンチクを語れる。同社スタッフは「親子の会話が弾んで、通常は1時間半ほどで終わるゲームの時間が4時間にも及んだという方も」と明かす。
 人生ゲームで俯瞰(ふかん)する日本の100年。リアルに進化した最新の記念盤は「東京おもちゃショー2018」(6月7〜10日、東京ビッグサイト)でも展示される。(デイリースポーツ・北村泰介)

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