佐藤治彦「儲かるマネー駆け込み寺」オードリー春日が高級車ゲレンデを購入したのは大正解だったが…

佐藤治彦

 実は私“リトルトゥース”である。これは土曜日深夜に放送されているラジオ番組「オードリーのオールナイトニッポン」(ニッポン放送)のリスナーの呼称だと勝手に解釈しているのだが、5年前にたまたま聴いたら面白くて、ほぼ毎週聴いている。投稿もするけど採用されたことは一度もなく、悔しい‥‥。

 昨年12月の放送で、ボケを担当するピンクベストの春日俊彰さんが、新車を買ったことを話題にしていた。子供ができて、出かけるのに自家用車がないと不便だと感じ、購入を決意。長い時間をかけて選んだのが“ゲレンデヴァーゲン”ことメルセデス・ベンツの「Gクラス」だそうだ。

 この車、本体価格だけで少なくとも1300万円ほどする高級車だ。しかし、春日さんといえばドケチキャラで売っている芸人。ラジオでも「妻がラーメン屋で味玉(ゆで卵)をトッピングで頼もうとするのは許せない」とか「自分が死んだら墓の中に稼いだ金の札束を一緒に葬ってほしい」などの話題で、4~5週間も引っ張っている。

 そんな人が最初はそれほど好きではなかった高級車、というか高額車を買った理由として挙げたのが「高く売れる車」だから。つまり、中古として売る時に高く売れるので、結果的に安くつくはずだという。

 今は高く売るために、できるだけ汚さないように使っていることを話題にしている。正月に山梨のコテージに旅行した時、濡れたり芝がついた靴で家族が新車に戻ってくるのが我慢ならなかったと言う。それに対して相方の俊才・若林正恭さんは、車内の床が少し汚れても、中古価格に影響しないとツッコむが、キレイな方が高く売れることは間違いないはずだ、と春日さんは突っぱねるのだ。笑える。

 30年も前のことだが、私が深夜番組「トゥナイト」(テレビ朝日系)の経済リポーターをしていた時のこと。夏の流行水着特集で女性リポーターが「ステキね。バーゲンになったら買おう」という発言に対してこう諭したことがある。「どっちみち来年は着ないよね? なら、今年流行の水着を誰よりも先に買って楽しんで、シーズン後半になる前、リサイクルショップに売ってしまうのがいちばん賢い。もし購入金額の半額で売れれば、流行の先端を5割引で楽しんだことになる。海にクラゲが出る頃に今年しか着ない水着を5割引で買っても仕方がないじゃない」と。今ならヤフオクもメルカリもあるのだからなおさらである。

 私たちはモノを何でも所有したいと思うもの。しかしその心が、いらないモノまで取っておくようになってしまう。それらの多くは10年もすればゴミになる。それなら価値があるうちに売却して現金化した方が賢いと思うのだ。

 ルイ・ヴィトンやエルメスなどのカバンを愛用していたこともあるが、それらハイブランドの人気商品はネットオークションで高く売れ、結果的に安くつくから。それに反して、イタリアのフィレンツェにある革製品店で買ったとてもよいカバンは、まったく値がつかなかった。

 そういう意味でも、春日さんが多くの人が欲しがる車を売る時のことを考えて買った、汚さないように丁寧に乗る。これはある意味、理にかなった行動だ。

 ただし、1000万円を超える代金を現金で支払ったのは、節約家の春日さんもまだまだだなと思った。振り込み手数料がもったいないことを現金一括で払った理由にしていたからだ。

 ケチ道を行くなら知っておいてほしい。今やいくつもの銀行で他行あての振り込み手数料が無料になる。

 例えば、SBI新生銀行で100万円以上の残高があれば、月5回までネットから他行あての振り込み手数料が無料となる。まあ、それではラジオのネタにならないから、現金一括で払うのが芸人としては正しい選択なんだろうけどね。

佐藤治彦(さとう・はるひこ)経済評論家。テレビやラジオでコメンテーターとしても活躍中。新刊「つみたてよりも個別株 新NISA この10銘柄を買いなさい」(扶桑社)が発売中。

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