今秋新商品に家庭用から2品発売、業務用はグローバルディッシュに注力 ソースメーカーの強みを生かした商品展開進める/ハインツ日本
ハインツ日本は冷凍ポテトや洋風ソースを強みに持つ食品メーカーだ。冷食日報部では、同社の商品政策について、業務用と家庭用の担当者に話を聞いた。
――商品の販売動向について。
家庭用のうち、冷凍野菜は全体的に伸びている。金額ベースでは年平均8%ほど伸長している。特に伸びているのはブロッコリー。ミックスベジタブルやグリーンピース・スウィートコーンといったカテゴリは市場としては平坦になってきているが、当社では伸長している。他社での終売や大きな価格改定の影響もあるが、ブランドの信頼やリーズナブルな価格が評価されたのでは。
業務用ではグローバルディッシュというコンセプトの商品群に注力してきた。
「500g BBQプルドポーク」はほぐした豚肉にBBQソースを絡めたもので、アメリカ3大BBQ料理のうちの一つだ。サンドイッチやバーガーに挟む、あるいはそのままおつまみなどとして提案している。
「380g ファラフェル」はひよこ豆を使用したプラントベースの商品で、中東発祥だが欧米でも人気の料理ということで投入した。こういった他社にはないようなユニークな商品を売り込み、新しい食文化を築き上げていきたいという想いで展開を進めている。
――新商品について。
家庭用からは、今秋から「星のハンバーグ屋さん トマトケチャップ入り」「星のハンバーグ屋さん ベビースターラーメン チキン味入り」を販売開始した。
パティにソースを練りこむことで、ソースをつけることなく楽しめるというソースメーカーの強みを生かした商品だ。「星のポテト屋さん」とあわせ、子ども向けとして訴求している。
当社ではハンバーグカテゴリとして、このほかに「本デミグラスグリルハンバーグ」など3品を販売している。昨秋発売の「デミチーズグリルハンバーグ」も好調に推移している。
業務用では、今春の新商品として「500g マカロニ&チーズ」を販売開始した。
新商品の販売動向としては、コロナ禍が明け、なんの問題もなく営業活動ができる久しぶりの一年となったおかげもあり、中堅ぐらいの飲食店やホテル・居酒屋などの業態で好調に推移している。人手不足が課題となるなかで、簡便性の高さが評価されているようだ。昨年までは展示会も制限があったため、ユーザー側も新商品に消極的なフェーズとなっていたが、市場が回復してきたと感じている。
――昨年の取り組みについて。
昨秋は歌手のAIさんを起用し、サウンドロゴの刷新を行った。当社では日本上陸以来初となる。今年一年はサウンドロゴおよびAIさんの楽曲を使ったPRをデジタルや屋外広告などで展開していく。
――今後の展開について。
家庭用のうち、冷凍ポテトは多くのラインアップを持つメーカーの強みを生かし、引き続きシェアの維持・拡大を目指す。
ハンバーグはソースメーカーの強みを生かしながら今後も注力していきたいカテゴリだ。業務用で提案しているグローバルディッシュなども家庭用での展開を検討している。業務用の販売動向を参考に、外食のトレンドも探りながら商品展開を進めていく。
業務用は引き続きグローバルディッシュに注力する。海外では一般的な料理として親しまれているが日本ではまだあまり知られていないようなユニークな料理を探し出し、メニュー提案を進めていくことで他社製品との差別化を図る。
〈冷食日報2024年7月23日付〉
07/23 16:52
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