サービスエリア・道の駅で「車中泊」はアリ?ナシ? 「仮眠」はOKだが…場合によっては「法令違反の可能性」も!?

近年人気の高まっている「車中泊」ですが、そのために守るべきルールとはどのようなものでしょうか。

その場所は「車中泊」しても大丈夫?

 近年はアウトドアブームに加え、コロナ禍によって混雑を避けたレジャーとして気ままな旅ができる「車中泊」が人気を集めています。
 
 では、高速道路の「PA・SA」で車中泊をすることに問題はないのでしょうか。

最近の長期連休中のPA・SAは深夜でも大混雑

最近の長期連休中のPA・SAは深夜でも大混雑

 高速道路のSAやPAは、深夜でもトイレが使えたり照明がついていたりすることから利便性や安全性が比較的高く、車中泊のために利用したいと考える人もいるかもしれません。

 しかし、実はほとんどのSA・PAは車中泊禁止となっているため、注意が必要です。

 例えばNEXCO西日本では、「ご利用上の注意」の中で禁止事項のひとつに「休憩の目的を逸脱した行為」を挙げており、「休憩の目的を逸脱した長時間・長期間駐車、野宿、野営又は車上生活等を行うこと」を禁止しています。

 つまり、SAやPAはあくまでも「休憩」を目的とした場所であるため、仮眠や休憩を目的とした駐車は問題ありませんが、車中泊を含め宿泊を目的とした長時間の駐車はできないのです。

 どこまでが「仮眠」で、どこからが「車中泊」か明確な線引きはないものの、少なくとも「一晩をSAで過ごす」ことを前提とした計画はやめたほうが良いでしょう。

 また、車外にイスやテーブルを設置して食事を取ったりテントを設置するなどの行為は、休憩の範ちゅうからは逸脱すると判断される可能性が高いと考えられます。

 一方で、例えば新名神高速道路の鈴鹿PA(上り線)には、高速道路上に初めて設置された有料の車中泊スポットとなる「RVステーション鈴鹿」が整備されており、当初は期間限定での運営の予定でしたが、期間延長されています。

 このRVステーション鈴鹿では、鈴鹿PAのトイレや自動販売機が24時間利用できるのはもちろんのこと、シャワーやコインランドリーなども利用できます。

 また、駐車スペースが広めに確保されており、さらにスペースの中であればテーブルやイスを設置することも可能です。

「車中泊」で注意すべきことは?

 先述のように、SA・PAに限らず、RVステーションのように車中泊ができるよう整備された施設以外では、基本的に車中泊は禁止と考えた方がいいでしょう。

 とくに深夜でも利用者の多いSA・PAなどでは、車中泊による長時間の駐車が増えることで、他の利用者が駐車できなくなる恐れもあります。

車中泊が可能な場所を事前に探して利用することが大切です。

車中泊が可能な場所を事前に探して利用することが大切です。

 また、安易に車中泊を行うと法令違反となってしまう可能性もあるため注意が必要です。

 そのひとつは「アイドリングストップ条例違反」です。

 季節によってはエアコンを使用する必要があり、エンジンをかけっぱなしにすることもあるかもしれませんが、長時間のアイドリングは多くの自治体の条例によって禁止されているため、条例違反となってしまう可能性があります。

 さらに、車中泊が許可されていない場所、あるいは禁止されている場所で車中泊目的の駐車をすると、状況によっては不法侵入として検挙されてしまう恐れもあります。

 車中泊を計画するときは、法令に違反しないことはもちろん、施設管理者や利用者に迷惑とならないためにも、RVステーションなど車中泊が可能な場所を事前に探して利用することが大切です。

※ ※ ※

 このように、高速道路のSA・PAで休憩や仮眠することは問題ありませんが、基本的に車中泊は禁止されています。

 最近では車中泊できる設備の整ったPAの整備や、一般道にある「道の駅」などで車中泊専用施設のRVパークの充実も進んできていますので、車中泊したいと考える人は専用施設を利用するようにしましょう。

 なお、高速道路上で「宿泊」できる施設が一部にあり、東名高速道路の豊田上郷SA(下り線)や東北自動車道の佐野SA(上下線)はSA内に宿泊施設があります。

 どうしても高速道路を降りずに宿泊したい場合、こうした施設を利用してみるのもいいかもしれません。

ジャンルで探す