高速道路で9割超が「ETC」を利用! 便利なのになぜ使わない人がいる? 「一般レーン」しか通れない人の“実態”とは?

高速道路を通行する人の9割以上が「ETC」を利用していますが、そんななか、20人に1人の割合でETCを利用しない人も存在します。どのような理由があるのでしょうか。

便利な「ETC」利用しない/できない人の事情

 高速道路など有料道路を通行する時に便利な「ETC」ですが、利用率が高まっている一方で、ETCを利用せず一般レーンを通行するクルマも一定数いるようです。
 
 ETCを使わない人にはどういった事情があるのでしょうか。

「ETCを使わない人」にはどんな事情があるのか?

「ETCを使わない人」にはどんな事情があるのか?

 国土交通省の集計によると、ETC利用率は2023年8月時点で94.3%となっており、ほとんどのクルマがETCを利用している一方、20台に1台はETCを利用せず、一般レーンから現金やクレジットカードで通行料金を支払っているということになります。

 ETCを利用しない理由は、まずクルマにETC車載器が搭載されていないことが挙げられます。

 近年では新車に標準装備されている車種も出てきましたが、多くの場合はオプションで取り付けが必要となるため、高速道路を利用する予定がほとんどないという場合、機器代や取り付け工賃などの追加料金を払ってまでETCを設置する必要性を感じないという人もいます。

 また、クルマにETC車載器がついていても、ETCカードを保有していないという人はETCレーンを通行することはできません。

 ETCカードは基本的にクレジットカードに紐づいているため、クレジットカードが作れない人や、クレジットカードを持ちたくない人は一般的なETCカードを作ることができません。

 クレジットカードを持たない人のために、高速道路各社が「ETCパーソナルカード」を発行していますが、年会費がかかることと平均利用額に応じた保証金(デポジット)を事前に預けないといけないことから、あまり利便性が高いとは言えないかもしれません。

 ほかにも、自分のクルマを保有していないことからETCカードを保有していないという人がレンタカーで高速道路を利用することも考えられます。

 ただし、レンタカー会社からETCカードをレンタルすることも可能なため、自分のETCカードを持っていなくても、レンタカーでETCを利用することは可能です。

 意外にも、クルマにETC車載器がついていてETCカードを保有しているのに、ETCを利用せず一般レーンを通行する人も少なからず存在します。

 例えば、ETC車載器のついた中古車を購入した場合に、利用者の住所や氏名を登録する「セットアップ」の作業が必要になりますが、セットアップができる販売店やカー用品店に持ち込んで依頼する必要があり、数千円程度ながら費用もかかります。

 そのため、あえてセットアップをせず、ETCを利用していないという人がいるようです。

 さらに、ETCで高速道路を利用すると、カードに利用履歴が記録され、通行料金がクレジットカードに請求されます。

 その一方で、その場で領収証などが発行されないため、取引先などへの領収証や通行の記録の提示が必要な場合には、機器やカードが整っていても、あえて一般レーンで支払う必要があります。

 ほかにも、お忍びのカップルなど、履歴を残したくない事情のある人があえて一般レーンを通行することもあるようです。

※ ※ ※

 ETC利用率は年々高まっていますが、車載器やETCカードを保有していない人や、様々な事情によりETCレーンを利用できない人が一定数は存在します。

 一方で、全国の高速道路ではスマートICの設置が進んでおり、さらにETC専用に変わるICや出入口も増えています。今後、ETCがないと通行できない道路がさらに増えてくるかもしれません。

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