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電動化加速で軽も200万円台が主流に? 100万円台で買える新車は激減するのか

日本の新車市場では、約4割を軽自動車が占めています。これは、ここ20年ほどで性能・安全面が大幅に向上したことで、コンパクトカー並みの性能を有する代わりに維持費が安価に抑えられることが背景にありましたが、昨今の電動化により軽自動車でも200万台が主流となるのでしょうか。

日本市場にマッチした軽自動車が電動化で価格上昇の危機に!?

 いまや日本市場に無くてはならない存在の軽自動車。ここ20年ほどで性能・安全面が大幅に向上している一方で、価格もそれに合わせて上昇しています。

 かつては100万円台前半から半ばが主流だった軽自動車の新車価格相場ですが、最近では200万円前後というモデルも少なくありません。

 そうしたなか、自動車市場全体の電動化が加速していることもあり、軽自動車であっても電動化が進むとエントリーモデルが200万円を超えてくることも予想されます。

 今後100万円台で購入出来る軽自動車モデルが減少してしまっては、安価で維持費の安さがウリだったの軽自動車の立ち位置はどうなってしまうのでしょうか。

ガソリン車のみの人気No.1軽自動車ホンダ「N-BOX」(左)と日産が将来投入予定の「IMk comcept」(右)

ガソリン車のみの人気No.1軽自動車ホンダ「N-BOX」(左)と日産が将来投入予定の「IMk comcept」(右)

 2019年で規格制定から70年を迎え、今やコンパクトカー並みの性能を実現している軽自動車。

 かつては衝突安全性がネックでしたが、各メーカーの技術開発によって、昨今はシャシもボディも十分な強度を持つようになっています。

 最近の国内新車市場では、人気のミニバンやSUV、コンパクトカーなどの新型モデルが続々と登場するなかで、軽自動車の割合は約4割も占めるほど成長しているジャンルです。

 現在の軽自動車の定義は、ボディサイズが全長3400mm×全幅1480mm×全高2000mm以内、エンジン排気量は660cc以内(最高出力は自主規制で64馬力まで)、最大4名乗車で貨物積載量350kg以下となります。

 この枠のなかで、日本の各メーカーがしのぎを削って競争してきた結果、今ではDOHCターボエンジンやマイルドハイブリッドを搭載するのも当たり前になり、衝突被害軽減ブレーキや追従型クルーズコントロール(ACC)といった先進安全装備も充実してきました。

 しかし、これらの技術面や性能・安全面の向上に伴い車両価格も比例して向上。かつては、100万円以下のモデルも少なくありませんでしたが、最近では安くても100万円台半ばからとなっています。

 具体例として、日本で1番売れている軽自動車のホンダ「N-BOX」は、初代モデルが2011年11月に登場。

 初代N-BOXは、センタータンクレイアウトによる広い室内空間の実現、DOHC搭載による走行性能向上などにより人気を博しました。

 しかし、安全面に関してはそれまでの軽自動車よりはもちろん大幅に向上しているものの、現行型の2代目N-BOXとは異なり、ホンダの安全運転支援システム「Honda SENSING」が採用されていません。

 また、価格面においても一概に比較は出来ませんが、初代N-BOXは124万円から146万円、N-BOXカスタムは144万円から178万円(ターボ仕様)となっていました。

 最新の2代目N-BOXは、141万1300円から192万6100円、N-BOXカスタムは174万6800円から212万9600円で、全車にHonda SENSINGを標準装備されています。

 N-BOXについて、販売店スタッフは次のように話します。

「クルマ全般にいえることですが、新しい技術や機能が追加されるごとにその分の価格上昇は否めません。

 なかでも、軽自動車は価格が安いというイメージがあるため、改良やマイナーチェンジで価格が上がると違和感を持つお客さまも多いです。

 また、最近の軽自動車はコンパクトカー(5ナンバー車)並の性能・機能なこともあり、乗り出し価格で考えると250万円前後になることも珍しくないです」

※ ※ ※

 普通車以上に価格高騰のインパクトがある軽自動車ですが、今後電動化が進むと、どれほどまでの影響があるのでしょうか。

軽自動車の電動化が進むとどうなる? 100万円台モデルは激減か。

 最近では、世界各国で2030年から2040年の間に、純粋なガソリン車/ディーゼル車の販売(内燃機関車)を禁止し、電動車(ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、燃料電池車、電気自動車)の販売のみに移行する方針が打ち出されています。

 とくに厳しい地域では、内燃機関車とモーターを組み合わせたハイブリッド車やプラグインハイブリッド車も禁止にすると明言しているところも出ているほどです。

 また、日本でも「2030年半ばに純ガソリン車の販売禁止を検討」という報道があったように、あと10年ほどで純粋な内燃機関のみを搭載するモデルが姿を消す可能性があります。

 そうしたなか、現在の軽自動車は自然吸気またはターボを搭載するガソリン車が大半を占めています。

 スズキでは、国内ラインナップの半分くらいにマイルドハイブリッドを搭載していますが、これは発進時など限定的な条件でモーターがアシストするもので、電気(EV)のみで走行は出来ません。

 なお、スズキの軽自動車「スペーシア」は2013年に初代モデルが登場し、2代目モデルは2017年末に登場しています。

 ハイブリッドの進化という意味では、現在のマイルドハイブリッドシステムの前身ともいえる「エネチャージ」を搭載、2代目モデルでは現在のモーターアシストが可能なものが搭載され、装備差もあり一概に比較出来ないものの、エントリーモデルで10万円から15万円ほど価格が上昇しました。

 では、軽自動車がハイブリッド車ならび電気自動車となると、どのくらいの価格帯になるのでしょうか。

 現在、国産車においてガソリン車、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車を設定しているのが、トヨタのミドルサイズSUV「RAV4」です。

 それぞれのエントリーモデル価格は、ガソリン車(Xグレード)が274万3000円、ハイブリッド車(HYBRID Xグレード)が334万3000円、プラグインハイブリッド車(Gグレード)が469万円となっています。

 実際には、ガソリン車が2リッターエンジン/2WD、ハイブリッド車が2.5リッター+モーター/2WD、プラグインハイブリッド車が2.5リッター+モーター/電気式4WDと、排気量や駆動方式が異なりますが、価格面を見るとガソリン車とハイブリッド車で約60万円、そのハイブリッド車をベースとしたプラグインハイブリッド車で約135万円の価格差が存在します。
 
 電気自動車においては、日産「リーフ」(40kwh仕様)のエントリー価格が332万6400円、SUVタイプの電気自動車日産「アリア」は2021年中頃に登場する予定ですが、日産はエントリーモデルと見られる65kwh/2WDを「お客さまの実質購入価格は約500万円からとなる見込みです」と説明しています。

 軽自動車に近いボディサイズでいえば、ホンダの小型電気自動車「ホンダe」(35.5kWh)は451万円です。

 これらのように、純粋なガソリン車から電動化が進むにつれ、価格は上昇傾向にあることは確実といえます。

電気自動車のコンセプトカー「ニッサン IMk」。近い将来に軽EVが登場する?

電気自動車のコンセプトカー「ニッサン IMk」。近い将来に軽EVが登場する?

 そうしたなかで、日産は東京モーターショー2019で新開発のEVプラットフォームを採用した軽自動車クラスの「ニッサン IMk comcept」をお披露目。

 三菱は2020年7月28日に同社の水島製作所(岡山県)において、新型軽電気自動車(以下、軽EV)を生産するための設備投資をおこなうことをすでに発表。

 三菱は軽EVについて「新型軽EVについては、アライアンスを組む日産との共同開発を検討しており、生産工場は水島製作所を予定しています」と説明しています。

 このことから、近い将来には軽EVが登場する可能性が高まっていますが、新たな設備投資などのコスト増などもあり、価格は「300万円超えするのではないか」という声も聞こえてきます。

※ ※ ※

 日本の道路事情を支えてきた軽自動車ですが、その普及は従来の購入・維持費用の安さが大きく影響しています。
 
 しかし、全世界での脱内燃機関や電動化の波は迫っており、軽自動車価格への影響も確実的なものです。

 先日発表され話題となっている日産新型「ノート」は、フルモデルチェンジで純ガソリン車を廃止、ハイブリッド車(e-POWER)のみとし、廉価版の「Sグレード」が202万9500円となっています。このことからも今後、最新の先進技術や安全機能を採用すると、100万円台の軽自動車やコンパクトカーは確実に激減していくといえるでしょう。

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