兵庫県斎藤知事 百条委員会欠席の真相を秘書課に直撃…過去には知事会欠席で“ワインおねだり”の矛盾

 

 11月19日、県議会の知事不信任決議の可決を受け、自動失職から再選を決めた斎藤元彦兵庫県知事が初めて兵庫県庁に登庁した。

 

 職員のほか、過去に例がないとされる県民ら支持者も出席して行われた登庁式典後の就任会見で斎藤知事は、「何よりも職員や県議会とのコミュニケーションを取ってやっていきたい」と、知事選中の街頭演説でも繰り返した「改めるべきは改める」という対話路線を強調した。

 

「斎藤さんもさすがにしばらくは大人しくするでしょう。お得意の『強い指導』も鳴りを潜めると思います。とはいえ、職員はどうでしょう。不安を感じる職員は多いと思いますよ。それに斎藤さんは、人事で職員を締め付けていました。職員にとってこれが何よりも堪えるんです」(地元紙記者)

 

 

 一方、斎藤知事は、証人尋問への出頭を求められている25日の「百条委員会」を欠席すると発表。その理由に、東京都内で開かれる全国知事会への出席を挙げた。

 

「全国知事会は、各都道府県間の連絡提携を緊密にして地方自治の円滑な運営を図る目的で、年に2〜3回程度おこなわれています。今回が再選後の初会議になりますが、はたして百条委員会よりも優先すべきことなのか……」(同前)

 

 これには元宮崎県知事の東国原英夫氏が自身のXで、

 

《はっ、百条委員会の出席の方が重要じゃないだろうか?》

 

 と、疑問を呈し、さらに、

 

《全国知事会は経験上副知事出席が結構、多いけど。まあ、再当選、再就任したばかりだから分かるけど。こうゆう所かもね》

 

 と続けた。全国知事会のホームページに記載されている出席者名簿によれば、斎藤知事は初当選後、最初に開かれた2021年8月30日は欠席している。これまで11回あった全国知事会で、出席したのはわずか4回だ。

 

「おもしろいのは、日本維新の会の共同代表の吉村洋文大阪府知事との“連動”ですよ。吉村府知事は、同じ期間で6回出席していますが、斎藤知事が出席した日には必ず吉村府知事も出席しているんです。それに会議の議題は関係ないようです。2023年7月25日、26日に山梨県で開催された全国知事会では、少子化や人口減少、地球温暖化などの危機を打開するために力を結集する『山梨宣言』を採択した重要な会議でした。しかし、斎藤知事は1日だけ出席して、翌26日は欠席しています。

 

 本人は基本的に退屈で自分が目立てない会議に出るのは嫌いです。逆に吉村知事が出る場合は自分も注目される可能性があるので出席したのでしょう」(前出)

 

 斎藤知事が25日の百条委員会を欠席し、全国知事会に出席することを選んだ理由について、兵庫県庁に問い合わせると、秘書広報室広報広聴課が回答した。

 

「全国知事会は知事会主催と政府主催があり、今回は政府主催になります。昨年も政府主催のものには出席しています。政府主催のものは、官邸で会議があり知事しか発言ができないので出席することになりました」

 

 だが、これに首をかしげるのは別の県政関係者だ。

 

「でも、2022年11月7日に官邸主催で開かれた全国知事会には副知事の片山安孝氏が出席し、斎藤知事は欠席しましたよ。さらに、当日斎藤知事は県主催の『西播磨地域づくり懇話会』に出席。県議に対して『まだワインを飲んでいないので、ぜひまた折を見てよろしくお願いします』と“おねだり発言”をして、翌週に見事ワインを届けてもらっていました。ワインよりも優先度が低いはずの知事会を、今回なぜ選んだのか……」

 

 百条委員会について、斎藤知事がわざわざ注目を集める“欠席”という選択をしたことについて、一部では「時間稼ぎ」だと疑う声が出ている。

 

「百条委員会では現在、選挙中での街頭演説の内容を、精査しているようです。斎藤知事は勝利が見えてきた後半戦から、亡くなった元局長の“告発文書”について自身の口から説明するようになっていました。仮に、街頭演説で語った内容と、百条委員会で証言した内容が食い違うようなら、偽証が成立します。また、逆に街頭演説での内容が虚偽に当たる場合、公選法に触れる可能性もありますから斎藤知事はかなりシビアな一貫性が要求されます。本人もそれを気にしていて、自身の発言内容と証言の整合性を精査する時間が欲しいようです」(前出・記者)

 

 なによりもまず、民意を優先してほしいが……。

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