根尾選手は「野球界の憲法」、チーフ王子の誕生も? プロ野球入寮式、新人選手の「持ち込みグッズ」を調査

新人選手が持ち込む品々には、それぞれの個性がにじむ

 プロ野球は昨年10月のドラフト会議で指名された選手たちが、球団寮への入居を始めました。毎年注目されるのが、入寮時に持ち込んだ「こだわりの品々」。地元や家族からの期待、体のメンテナンス系、験担ぎ品…。そこからは選手の個性が見えてきます。(朝日新聞プロ野球取材班)

球界の憲法に金の豚、大漁旗…新人選手が持ち込んだ「宝物」

根尾選手は「プロ野球界の憲法」
 ドラフト会議では1位指名で4球団が競合し、中日に入団した根尾昂選手(大阪桐蔭高校)は6日、名古屋市内の選手寮「昇竜館」に入寮。入団時に球団が配布した「公認野球規則」と「野球協約」を持ち込みました。

 「公認野球規則」は野球のルールが記載され、「野球協約」は選手契約や試合規定などが書かれ「プロ野球界の憲法」と呼ばれます。

 自室の机に置かれた2冊を前に、根尾選手は「一通り目を通した。野球選手なので野球のことを知っておかないと」。

 伝え聞いたドラフト2位の梅津晃大投手(東洋大)は「本当ですか!? 僕も読まないと」と目をパチクリさせていました。

東洋大3投手は、ほのぼの系
 その梅津晃大投手は、「金の豚」を持ち込みました。

 おなか付近を押すと「ブヒブヒ」と鳴く。「鳴き声がすごくリアルでしょ」と気に入った様子だ。

 兄の恵太さん(26)が「持っていけ」とくれたそうで、理由は分からないとのこと。
 
 「これで話題をつくれということだったんでしょうかね。みなさん(報道陣)が興味を持ってくれたので良かった。値段は870円ですね」と笑わせてくれました。

 梅津投手を含め、投手は3人がプロ入りした東洋大。

 最速159キロを誇るソフトバンクのドラフト1位・甲斐野央投手は、大学時代から使う寝具大手「東京西川」のマットレスを入寮に合わせて新調しました。

 大学1年時は布団が薄く就寝時に「体が痛かった」ため、エンゼルスの大谷翔平選手も愛用するメーカーに2年春から変更。すると「朝起きて体が軽くなった」といいます。
 
 「球が速くなったのも東京西川さんのおかげです」と感謝する必需品です。

 その甲斐野投手に影響を受けたのが、DeNA1位の上茶谷大河投手です。

 東洋大の寮で暮らしていたとき、使っていたマットレスは「ペラペラで硬め」でした。甲斐野投手から「お前のは縄文時代のもの」と言われ、試しに甲斐野投手のマットレスで寝てみると「ええなあ」。この一件以来、使っています。

 「1年間を通して『やってやるぞ』という気持ちです。2月に万全の状態で臨めるようにしたい」

妻子のもとを離れて
 阪神4位の斎藤友貴哉投手(ホンダ)は、妻・幸恵さん、9カ月の長男・暖(だん)君と離れて入寮しました。

 「1年目は野球に集中させてほしいってお願いしました。寂しい思いはあるんですけど…。子どもに誇れるような父親になりたいですね。出てくる時、子どもには『パパ頑張ってくるね』と言いました」

 入寮前夜、妻からプレゼントが。

 以前、妻から「手形を押して」と言われ、色紙に手をついた斎藤投手。その後、こっそり妻と子が重ねて手形を押していたそうです。

 「つらい時もこれを見れば頑張れる」

地元からの期待を背負って
 西武7位の佐藤龍世内野手(富士大)が入寮時に持参したのは、漁師の友人から贈られたという巨大な「大漁旗」。報道陣の前で広げると、「おおーっ」と歓声があがりました。
 
 北海道・厚岸町出身。実家は牡蠣やカニ、昆布などの漁を営んでおり、友人にも漁師が多くいます。

 年末に帰省し、幼なじみたちから昇り龍と太字で名前が書かれた大漁旗を渡され、「涙は出なかったけど、出そうになりました」。

 「ベッド脇のよく見えるところに置きます」と佐藤選手。「大漁」級の活躍を誓いました。

 昨夏の甲子園大会にも出場した日本ハム4位の万波中正外野手(横浜高)は、中学時代に所属していたチームの仲間たちが寄せ書きしてくれたTシャツを持ち込みました。
 
 「北海道で大暴れ」「新人王をとれ」など、熱いエールの数々が書き込まれています。

 「みんなすごい大きいことを書いてある。大事にしたい」と万波選手。プロ生活の励みにするそうです。

大先輩の考え方を
 ソフトバンクの3位、野村大樹内野手(東京・早稲田実高)は、母校OBで憧れる王貞治球団会長の本を持参しました。

 年間100冊以上を読むという読書家が愛読するのが、王会長の思考法を分析した「名将・王貞治 勝つための『リーダー思考』」(日本文芸社)。「先輩であり、日本で一番ホームランを打たれた方。何度も読み返しています」。

 プロでもバイブルにするつもりです。

ハンカチ王子ならぬ「チーフ王子」?
 ロッテ育成1位で入団した鎌田光津希(みずき)投手(四国リーグplus徳島)が、8日の入寮の際に大事そうにポケットから取り出したのは薄紫色のチーフでした。

 昨年4月の独立リーグの試合で、球場に向かおうと家を出る時にハンカチと間違えてこのチーフを持って行ったら初勝利を挙げたそう。

 それからは投げるたびに験担ぎとして持参し、「僕の宝物なので持ってきました」。球団職員から、高校時代に「ハンカチ王子」と騒がれた斎藤佑樹(日本ハム)を引き合いに「チーフ王子だな」と冷やかさると、苦笑い。

 「汗は腕で拭いますけど、プロでも投げる時はこのチーフを持っていきます」

今回もいた「抱き枕」
 DeNA6位の知野直人内野手(BCリーグ新潟)は、「抱き枕がないと寝られないので、持ってきました」。

 中学1年のときから使い始め、現在の愛用品はニトリで購入。

 「他のも試したけど、最悪だった。カバーだけを変えて、使い続けています」というこだわりようです。

 キャンプや遠征にも持っていくのか。今後も気になります。

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